第2話

文字数 379文字

日本人が持ち込んだから。
たったそれだけの理由で、クズは東洋的に見えたのだろうか。
ともかく北米人にとって、それは日本的な芸術として受け入れられた。
wabi sabi bonsai fujiyama tokkou
そして、クズ。
肥料にも使えるらしい。
災害対策にも、バッチリだ。
これならママもオッケーさ、と植えられたそれらは、たちまちあちこちを覆い尽くした。
在来の、有用な植物を駆逐し、侵食した。
エイリアン。
彼らは日本人と違って、それに手厳しい。
土着的な風土を更地にして移植した、彼らこそがそれであった歴史に、しっかと根付いた文化だ。
駆除。
駆除。
駆除。
とんでもないぞ。
イエローモンキーは、戦争に負けた仕返しに、巧妙かつ狡猾に我らが本土を侵略しはじめたじゃないか。
侵略されてる分際で。
上下関係。
その下位にあるものたちの宿命。
くだらない、逆恨み。
しかしそれは強烈だった。
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