雨の日の喫茶店
文字数 866文字
私が大学の頃、とある喫茶店に入った。
尤もそこは常連でもなく、何でも無く、単なる偶然入った店だった。
その日、私は講義も終わり街に繰り出そうと歩いていた。すると折からの雨に降られ、私は慌てて近くにあった喫茶店に入った。
そこに喫茶店があるとは、いつも通るのに気が付かなかった。
若い私には喫茶店と言うものが、何ともレトロに感じたのだろう。あってもまったく、気にも留めなかったと思う。
カランカランと扉のベルがなり、私はその店に駆け込んだ。
暗い店だなと思ったが、目が慣れると結構明るい店だった。
外が雨で暗くなったせいもあるのだろう。
何となく子供の頃に、雨に降られて慌てて家に帰ったときを思い出した。
そう言う、ノスタルジックに浸らせてくれる雰囲気があった。音楽は流れていないと思えば、クラッシックかジャズか分からない音楽が、静かに流れていた。
私は何列か並べられた、テーブル席の真ん中辺りに座った。カウンターとは、小さな腰辺りの高さのレンガの壁で仕切られていた。
何とも不思議なレイアウトだな、と思ったのを記憶する。
いや壁側だったか?カウンターはあったが、テーブル席もあった。
私は、兎に角そのテーブル席に座ったのだ。
昔の事で記憶が曖昧であった。
そして、注文を聞きに来たウエイトレスさんが、若いのかどうかなのも思い出せない。
唯、綺麗で清楚な痩せた人とだけ憶えている。
私は兎に角、注文をと温かいコーヒーを頼んだ。すると直ぐにその人は戻ってきてフェイスタオルを貸してくれた。
私は笑顔でそれをもらうと、濡れた頭を拭いたのを記憶する。
人心地つくと、コーヒーが運ばれてきて。
私はタオルを返すと、いつもの様に甘くして、クリームをたっぷり入れてコーヒーを飲んだ。
若い私は冬でもアイスコーヒーを飲むタイプだった。久々のホットコーヒーを飲み、フーッとため息をつくと、何気に窓の外を見た。
雨は激しくはならなかったが、やはり出て行く事は出来ない程、降っていた。
私はその店に、何時間いたのか記憶がない。
そして、この夢を何度か見ていたのであった。
尤もそこは常連でもなく、何でも無く、単なる偶然入った店だった。
その日、私は講義も終わり街に繰り出そうと歩いていた。すると折からの雨に降られ、私は慌てて近くにあった喫茶店に入った。
そこに喫茶店があるとは、いつも通るのに気が付かなかった。
若い私には喫茶店と言うものが、何ともレトロに感じたのだろう。あってもまったく、気にも留めなかったと思う。
カランカランと扉のベルがなり、私はその店に駆け込んだ。
暗い店だなと思ったが、目が慣れると結構明るい店だった。
外が雨で暗くなったせいもあるのだろう。
何となく子供の頃に、雨に降られて慌てて家に帰ったときを思い出した。
そう言う、ノスタルジックに浸らせてくれる雰囲気があった。音楽は流れていないと思えば、クラッシックかジャズか分からない音楽が、静かに流れていた。
私は何列か並べられた、テーブル席の真ん中辺りに座った。カウンターとは、小さな腰辺りの高さのレンガの壁で仕切られていた。
何とも不思議なレイアウトだな、と思ったのを記憶する。
いや壁側だったか?カウンターはあったが、テーブル席もあった。
私は、兎に角そのテーブル席に座ったのだ。
昔の事で記憶が曖昧であった。
そして、注文を聞きに来たウエイトレスさんが、若いのかどうかなのも思い出せない。
唯、綺麗で清楚な痩せた人とだけ憶えている。
私は兎に角、注文をと温かいコーヒーを頼んだ。すると直ぐにその人は戻ってきてフェイスタオルを貸してくれた。
私は笑顔でそれをもらうと、濡れた頭を拭いたのを記憶する。
人心地つくと、コーヒーが運ばれてきて。
私はタオルを返すと、いつもの様に甘くして、クリームをたっぷり入れてコーヒーを飲んだ。
若い私は冬でもアイスコーヒーを飲むタイプだった。久々のホットコーヒーを飲み、フーッとため息をつくと、何気に窓の外を見た。
雨は激しくはならなかったが、やはり出て行く事は出来ない程、降っていた。
私はその店に、何時間いたのか記憶がない。
そして、この夢を何度か見ていたのであった。