第11話 お別れ

文字数 470文字

もてなしたお客様を連れて自宅へ。
乱雑に荷物が山積みされたリビング。
そこへ元妻が子供たちを連れてやって来た。
寝そべり大変だとか、疲れたと愚痴る元妻。
僕はわざと声を荒げ、「ふざけんなよ!」と怒り、元妻を怒らせる。
帰ろうとする元妻を呼び止め、リビング中央に山積みされた要らない衣類を持って行ってくれと頼む。
もうひとり、自転車で来客。
その間、2人の客にYさんという、やはり自転車で来るお客様の話をする。
夜になっていた。
最後の来客もやはり自転車で、筋骨隆々な裸体にスカート一丁の奇妙な出で立ち。
「いやあ、あなたとお会いしてじっくり話したかった」と、握手。
リビングはきれいに片付いていたが、古いマッサージチェアと革張りの大きな椅子。
そこに腰掛ける。
2段ベッドが問題だ、と、元妻含めて話す。
最後の来客が食事がまだとの事、ふたりめの客に「食事は?」と聞くとまだ。
4人で店へ行く事に。
元妻に、「服、ありがとう」、ちいさく、子供たちに「じゃあよ、おまえら、元気に育てよ!」、威勢良く。
誰も返事も、振り向きもしない。
そして僕らも、ためらいなく店の方向へ歩き出す。
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