第4話 「飽和」の解釈

文字数 1,000文字

まず、登場人物が自分を含めすべて知らない人というのは非常に歪曲された夢だと思う。
これは、なんらかの精神疾患を抱えてると思われる僕の悪夢に非常に特徴的な部分である。
特定の人物が登場したとしても、途中で誰かにすり替わるのが常だ。
これは、僕の独善的な「ぜんぶ自分が悪い」と考える性質に起因すると思われる。(自己弁護ではなく、単にそれが便利なのである)

まず舞台となる部屋だが、見覚えのない部屋で、古くてあまりきれいとは言えない、誰の部屋だかわからないものである。
これは車で寝ていた事に起因するのかもしれない。
こたつという、狭いところに複数の人が集まっているのも窮屈さの現れかもしれない。
現実には、妻との不仲、家族内での疎外感から車中泊ばかりするようになったのだが、妻との仲が良く家族とも過ごしたい気持ちの中、アルバイトのスケジュール上車中で寝ていた状況がある。

夢に現れる知らない人は、自己の投影だという。
こたつに3人、あとから入って来る子供、そして自分も知らない女性になっている。
この5人の人格は、自分の中での葛藤を示していると思われる。
もちろん自分として認識している人格が、もっとも現実の自分に近く、それぞれ他の登場人物に持った印象が自己嫌悪や自己肯定願望を示していると思う。
こたつに入って噂話をする3人は、世俗的で空っぽ、無力な自分の一面だと思われ、そこに嫌悪感を持つ自分は今そうあろうとしている自分だろう。
しかし、同じこたつの4面のひとつに加わる自分は、その「在りたい自己」として行動している現状の自分への懐疑を示していると思う。

次に現れる子供ですが、これはより自分がそう在りたい人格で、この夢の中で、いちばんの「自分」だと思う。
彼は家から放逐され、山野を彷徨いこの部屋に来た。
これは、現状の自分を表していて、自己責任による苦境から逃避したい願望を示している。
そんな自分を保護し、労る自分。
腹が減ったろう、とか、雨に濡れなかったか?とか、実際に言葉をかけている。
複雑だが、この時の自分は、もっと今助けてくれそうな人たちに期待する人格に変化しており、わかりやすく言えば「自分がもし今の自分の様な人に会ったら、もっと積極的に助けてやるのに」といった、身勝手な願望であると思う。
また、裏を返せば、助けてもらうばかりではなく、ホントは自分の事は自分でどうにかして誰かを助けたい、という願望の現れかもしれません。
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