第7話 「電話」の解釈

文字数 741文字

まず、登場する女性は自分自身の投影だろう。
そこに嫌悪感を抱いてるのは重要だと思う。
一緒に居る男も自分だと思う。
スーパーで安いものを選んで買うのは、凡そ認め難い自分の現状そのものである。
そして、ネットや電話での中傷は、現実に悩まされている事の拡大的なもので、何も思い通りにしているわけではないのに、いや、だからこそあちこちで迷惑をかけてるうちの誰かからの攻撃に晒される不安と、それを甘んじて受けなければならない苦痛の現れだと思う。
そんな状況を作り出したのが、女性の連れ合いで、それは至らない自分の象徴だろうか?

二本目の観光旅行のシチュエーションは、堅苦しく感じる世の中への僕の印象だと思う。
行列を作る女性たちは、一般消費者なのか、知らない人なので自己の投影か。
そんな中で売れ残った赤飯をかろうじて取るのは、今の自分のあまりに限定的な選択肢を示している。
もしかしたら、行列の女性たちは世間的にイメージされてるであろう自分かもしれない。
自由で思慮分別を持たない。
そんな印象の中、遠慮していた感覚があったから。
バスにはいちばん後ろの席に乗っていた。
自分の運命を誰が握っているのか、わからない。 
バイト先の先輩は、その夢を見た時点で悪気はなく悪い人ではないが、当たりがキツく、少なくとも僕の事を考えてはくれてない人という印象だったから、僕や店への愛情や思い入れなしにいわゆる常識的なアドバイスをくださる方の象徴だと思う。
隣に彼が居て窮屈だったし、電話で降りてホッとしていた。
電話の内容は、僕の悪口かもしれないけど、バスの外なら気にならなかった。

ふたつの夢をまとめると、気にして何も良い事がない事を、しかし自分が招いたわけだからと向き合い、しかし受け止め切れず逃れたい。
そんな心情が推察される。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み