美しき女処刑執行官
文字数 2,423文字
豚の治世。
後世の史家たちがそう呼び、唾棄してはばからない暗黒の時代。
王都にそびえる巨大な断頭台はその象徴だった。
後世の史家たちがそう呼び、唾棄してはばからない暗黒の時代。
王都にそびえる巨大な断頭台はその象徴だった。
青空に響き渡る喘ぎ混じりの悲鳴。
断頭台に拘束された母娘が、処刑人に取り囲まれて嬲りものにされていた。
断頭台に拘束された母娘が、処刑人に取り囲まれて嬲りものにされていた。
今、高い壁に囲まれた処刑場の広場には観衆はいない。
一度に数人の首を撥ねる事の出来る幅広の拘束板に、母娘の体は互い違いとなるように固定され、母には娘の、娘には母の、這いつくばり、粗末な囚人服をはだけて突き上げさせられた白い尻と、男たちの挿入による蹂躙が見せつけられている。
一度に数人の首を撥ねる事の出来る幅広の拘束板に、母娘の体は互い違いとなるように固定され、母には娘の、娘には母の、這いつくばり、粗末な囚人服をはだけて突き上げさせられた白い尻と、男たちの挿入による蹂躙が見せつけられている。
責めたてる四、五人の男たちは皆、フードつきの処刑人の服を身に着けていたが、その下半身はむき出しだった。
娘も母親も、同じ栗色の髪を上流階級の女がするように品良く編み上げていた。
女らしい成熟した肉づきの母は、喘ぐ声もどこか艶がある。
それに対して、まだあどけなさの残る娘のほうは、ほっそりとした両脚の間の肉棒の出入りが痛々しい。
とはいえ、共に優美な、しなのある体つき。悲鳴と涙で歪めてはいても、その顔立ちには平民とは思えぬ気品があった。
いったい彼女たちがどんな罪を犯したというのか?
女らしい成熟した肉づきの母は、喘ぐ声もどこか艶がある。
それに対して、まだあどけなさの残る娘のほうは、ほっそりとした両脚の間の肉棒の出入りが痛々しい。
とはいえ、共に優美な、しなのある体つき。悲鳴と涙で歪めてはいても、その顔立ちには平民とは思えぬ気品があった。
いったい彼女たちがどんな罪を犯したというのか?
目に涙をためての必死の訴えだったが、処刑人たちに聞く耳はなかった。
娘を犯していた男が肉棒を引き抜き、湯気を立てているそれを、すぐ隣の母親の顔の前に突き出す。
母に突き入れられていた肉棒も、娘の前に差し出された。
母親の前に立つ処刑人が、母の鼻をつまんで手際よくその形良い唇の奥へと肉棒をねじり込む。
娘の前の処刑人がそのまま肉棒をねじ込んで泣きわめく口を塞いだ。
残る処刑人たちが我先に濡れそぼつ肉襞を掻き拡げようと飛びつく。
勝手な事を言いながら、めいめいがズブリズブリと肉の処刑棒を突き刺す。
口を塞がれたままの声にならぬ悲鳴。
いつ止むとも知れぬその饗宴は、しかし突然終わりを告げることになった。
シュルルルルッ……カシィーン!
風を切る音と共に飛んできた、いくつもの手錠のような鉄製の輪が男たちの勃起の根元にはまり、拘束する。
シュルルルルッ……カシィーン!
風を切る音と共に飛んできた、いくつもの手錠のような鉄製の輪が男たちの勃起の根元にはまり、拘束する。
それは、ただの手錠ではなかった。
小さな刃が取りつけられた携帯式ギロチン錠。
輪に繋がる鎖の先のスイッチひとつで捕えた物を切断できる、この特別性のギロチン錠を操ることができるのは、王都の処刑人の中で只一人。
小さな刃が取りつけられた携帯式ギロチン錠。
輪に繋がる鎖の先のスイッチひとつで捕えた物を切断できる、この特別性のギロチン錠を操ることができるのは、王都の処刑人の中で只一人。
広場の中央には、ギロチン錠の鎖を束ね持つ女の姿があった。
その背に翻る漆黒のマント、黒衣の下に隠せぬ豊満なバストの隆起、膝丈のロングブーツの中に呑み込まれる、すらりとした長い脚。
目深に被っていたフードが風に払われると、見事なブロンドが渦を巻いて舞い広がった。
目深に被っていたフードが風に払われると、見事なブロンドが渦を巻いて舞い広がった。
肉感的な唇は厳しく閉ざされ、頬は引き締められたまま。長い睫毛の下に陰るその怜悧な眼差しが、静かな怒りを湛えて細められる。
王都にその人ありと名高き、美貌の女処刑執行長、ソライユ・ペルソーヌその人だった。
険しい声に、男たちがうろたえる。
明らかにでまかせの見苦しい言い訳は、ソライユのひと睨みで途切れる。
ソライユが手にしたギロチン錠の鎖を、じゃらりと鳴らしてみせる。
男たちは情けない悲鳴を上げて即座に母娘を解放し、それを見届けてソライユがギロチン錠を解除すると、皆、一目散に駆け去っていった。
美貌の処刑執行長は、断頭台に上ると、労わるように母娘を助け起こした。
美貌の処刑執行長は、断頭台に上ると、労わるように母娘を助け起こした。
感謝の涙を流して抱きつく母娘をソライユもまた優しく抱き返し、落ち着かせるように慰めの言葉を何度も繰り返してやるのだった。
しかし、彼女にはわかっていた。
しかし、彼女にはわかっていた。
この母娘たちを始め、無辜の罪の犠牲者は後を絶えない。
腐敗した貴族たちの権力を巡る暗闘。弱者を陥れ、私欲のための手段を選ばぬ謀略の連鎖……。
腐敗した貴族たちの権力を巡る暗闘。弱者を陥れ、私欲のための手段を選ばぬ謀略の連鎖……。