第4話野球場へ連れてって

文字数 1,185文字

ところで、ここまで、この文章を読んでくださった方々、本当にありがとうございます。
あくまでフィクションを書いているのですが、あまりにもリアリズムとはかけ離れていて、気分を害した方もいらしたかと思います。その点、お詫び申し上げます。
ですが、真剣に書いてはいるものの、どこまでも素人の暇つぶしには過ぎませんから、どうか最後まで書かせてください。

さて、準々決勝へは、チームのムードは最高潮で臨み、一、二回戦連投の翔は休み、優太と賢治で3イニングずつを乗り切る、と監督、コーチはゲームプランをみんなへ提示したが、相手が悪かった。高校野球だったら、大阪桐蔭みたいなところと当たってしまったのだ。優太も賢治も、小学校レベルでは好投手なのに、めった打ちに遭い、10点以上差をつけられて敗れた。
これで6年生の公式戦は終わった。
新チームのキャプテンには、強打の三塁手ながら、喜一郎に肩の強さで敗れ、二塁を守っている達彦がチームメイトの満場一致で選ばれた。晴れて本職のサードだ。康介からも、引き継ぎで、頑張れよ、と伝えられた。

みんなで、コーチと同じ方向の帰り道なので、自転車を漕いで帰る。
しかし、今日の相手はものが違ったな、と優太。康介も、賢治も、うん今日は仕方ない。
ああいうのが大谷だとか、村上になるんだな、しかも上手い上にフェアプレーのチームだった、チームパーカ交換したもんな、俺のパーカじゃあいつらには小さすぎるのに、と康介。賢治が、まああれは記念品だから、俺もだいぶでっかいパーカもらったけど、ずっと取っとくつもりだよ、あんな野球の名門校予備軍と交換したんだし。しかしプロって、あのレベルの選手でも通用しなかったりするからすげえよ。
そこへコーチが、まあ、プロ野球は、興行だから、やっぱり金を払って見るプレーが出来なきゃいけないからね。一緒に帰っている誠次が、コウギョウ?と聞く。
うん、イベントを催して、お金をもらってくること。野球だから、スポーツビジネスだね。いずれ君らも、否応なしにビジネスの世界へ入っていくんだし、今のうちに野球楽しんどきなよ。
康介、改めて思う。そうだなあ、野球って楽しい。優太や賢治に伝えると、うん、今日はめった打ちだったけど、野球が好きなのは変わらないよ。そうだよなあ。
すると、一緒に帰っていた隆が、take me out to the ballgame…と、上手に歌い出した。あ!セブンスイニング・ストレッチか!いいね、じゃ、続き!take me out to the crowd…、俺も!と優太、buy with the peanuts and crackerjacks, I don't care if I…
みんなもう学校で英語は習っているから、慣れている。みんなで歌いながら、自転車を漕いで、夕暮れの道を帰っていく。
野球って、本当に楽しい。   [了]


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