約束

文字数 435文字

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小学生のころのことだ。
ガキだったんだ。
最後に会う約束をした。
よくある話で、彼女は転校することになった。
オレは彼女とよく遊んでいた。学校帰りも一緒に帰った。別に最初は男と女なんて気にしてなかった。でもだんだんそういうのが恥ずかしくなってくる年頃だった。
転校するという話は学校で先生から聞いた。
最後に会う約束をした。休日の昼。
オレは約束の場所に行った。
雨が降ってた。
彼女はまだ来てなかった。
傘は持ってなかったから、軒先で雨音を聞きながら待った。
でも恥ずかしくなった。
待っているということが恥ずかしくなった。
雨の中、彼女が来るのを待っているということが恥ずかしかった。
我慢できなくなってオレは家に帰った。
それっきりだ。

なんでこんなことを書いたのだろうか?
オレは後悔してるのか?
いったい何を後悔しているのか?
オレはどうしたかったのか。
分からない。
でもこの手帳に書くべきことだ。
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終わり

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