第3話 田中さんの出勤
文字数 632文字
午前8時半。
息子をなんとか学校に送り出したあと一息つく間も無く、事務所をあける。事務所といいつつ、いわゆる会社らしい会社ではない。テナント的な何かを想像されると、だいぶ違うと思う。
築100年以上経つという、先祖代々の家。もう、親戚はだれも居ないし戻らないので、自分と息子が住むことになった。門をくぐるとまずは広い土間だ。その次に、他の字型の広い畳の間が広がる。西日本によくある、伝統的な農家の住宅だ。
「おはようございます!」
事務員で補助者の田中さんの出勤である。
田中さんは、商業高校を出ているので普段の会計と、書類の提出などの外回りをお願いしている。年は20歳そこそこ。
田中さんは朝が微妙に苦手だ。いつもギリギリ感がある。時間はそこまでギリギリではないのだが。
「朝ごはん今のうちに食べます!」と言ったと思ったら、いきなり可愛いピンクのハンドバッグから、ソフトボール大のおにぎりが出てきた。似つかわしくないとはこういう時の表現だと思う。もうちょっと繊細に作ったらいいのに。
朝ごはんというタスクをやっつける感満載。ヤケクソ感のあるおにぎりらしきもの。それでも案外味は美味しいのかもしれない。
田中さんは、見た目はかなり可愛いほうだ。色白、黒髪、ほっそりの三拍子で、あらゆる男子の憧れの的になってもおかしくない。が、彼女はとある分野のオタクなのだ。いわゆる陰キャラ。ちょっと雑談をするとわかるが。
おにぎりなのか、なんなのかわからない物体は1分もしないうちに全部なくなった。
息子をなんとか学校に送り出したあと一息つく間も無く、事務所をあける。事務所といいつつ、いわゆる会社らしい会社ではない。テナント的な何かを想像されると、だいぶ違うと思う。
築100年以上経つという、先祖代々の家。もう、親戚はだれも居ないし戻らないので、自分と息子が住むことになった。門をくぐるとまずは広い土間だ。その次に、他の字型の広い畳の間が広がる。西日本によくある、伝統的な農家の住宅だ。
「おはようございます!」
事務員で補助者の田中さんの出勤である。
田中さんは、商業高校を出ているので普段の会計と、書類の提出などの外回りをお願いしている。年は20歳そこそこ。
田中さんは朝が微妙に苦手だ。いつもギリギリ感がある。時間はそこまでギリギリではないのだが。
「朝ごはん今のうちに食べます!」と言ったと思ったら、いきなり可愛いピンクのハンドバッグから、ソフトボール大のおにぎりが出てきた。似つかわしくないとはこういう時の表現だと思う。もうちょっと繊細に作ったらいいのに。
朝ごはんというタスクをやっつける感満載。ヤケクソ感のあるおにぎりらしきもの。それでも案外味は美味しいのかもしれない。
田中さんは、見た目はかなり可愛いほうだ。色白、黒髪、ほっそりの三拍子で、あらゆる男子の憧れの的になってもおかしくない。が、彼女はとある分野のオタクなのだ。いわゆる陰キャラ。ちょっと雑談をするとわかるが。
おにぎりなのか、なんなのかわからない物体は1分もしないうちに全部なくなった。