第3話 長男の出産

文字数 411文字

第一子、初めての出産である。
まず前提として、こちらの無知があった事は確かだ。
僕は意見を求められない限り、産む本人である妻にどう産むかを決めてもらった。
大きな総合病院での出産。
なんとなく、安心感があったのだろう。
たくさんの人が利用している。
設備が整っている。
しかし、それらは実は出産への安心感とは無関係である事に、僕らは気づかなかった。
重ねて言うが、無事な出産は医療行為ではないのである。
そして、僕はその頃医療に対して小さくない不信感を抱いていた。
しかし、それは妻に押し付けられなかった。
妻のお母さんは医療を信頼していたし、妻が初めての出産で頼るのは、僕より母親だろうから。
しかし、それは後の大きな後悔となってしまったし、夫としてあまりに無責任であったと思う。
初産にしては、安産だったと思う。
その後も難産で妻が苦しむ事がなかったのは幸いだった。
しかし、産後、長男が出て来てからの処置に、いくつかの疑問を抱かざるを得なかった。
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