第11話 証言と睾丸を間違える。
文字数 1,081文字
本当は自分の失敗は書きたくない。と、いうか、速やかに忘れていく。自分の失敗は棚に上げる素晴らしい性格なのだ。なのでメモをつけることにしたら、わあ~!あっというまにいっぱいに!
ある日
私が「Toadってなんだっけ?あ、カメだよね」
「ひえ~カエルだよ~カメって!…市民権の試験よく受かったね…」と言われた。
カエルのスペルなんてテストにでないし、カメとカエルって近いし。
日本は雨の言い方もたくさんある。アメリカも少しはあるけれど言いにくいものが多いように思う。あるザーザー降りの日に
「こういうのさあ、英語でCats and Rain って言うんだよね?」
正しくはCats and Dogs。ちょっと古い土砂降りの言い方。
夫はぎゃはぎゃは笑っていた。あんまりおもしろくないし、惜しいし。
雨もあがり、からりと晴れた気持ちの良い日に、夫は外を見て
「天気、きれいになっちゃった」
……お天気が良くなった。だよ…… そっちのほうがうんと面白いよ。
それでは、私の過去最大の間違いを発表する。
結婚した当時のこと。買い物に行くのにリストを書いていた。早く英語を覚えなくちゃと、英語で書いていたのだ(ううう、けなげなかわいい妻)
『食料品リスト、できた。 後は、そうだ、壁に掛けるフックを買わなくちゃ。 ええ?スペル…どう書くんだっけ??あ、HU、じゃないよね、英語だから、そうか、FUだよね、それからクッてところKUじゃないよね、ックって言う発音の英語はCKだよね!できた~』
それ、
ファック
だ。リストを見た夫の顔は何年たっても忘れられない。
「うん、うん、ミルク、卵、ファ~ック??」って。
正しくはHook。こちらも中学1年生英語だ。とにかく私はスペルが全然ダメなのだ。今だに食品リストはかなり怪しい。
話す時もよく間違える。しかもなぜか下品な方へ下品な方へ。あまり考えないで喋るので似た言葉は駄目だ。
Testify(テスティファイ)証言 と
Testicles(テスティコーズ)睾丸 を間違えたことも、ある。
法廷もののテレビを見ていて
「あ、今日いよいよ睾丸するんだよね!!!」
夫は笑いが止まらず泣いていた。
テスティ…まで似ているし、惜しいし。
すごく惜しいけど意味がわかってより危険な例だ。
「そんなに笑わなくてもいいじゃん、だって聞いたことあるよ?昔証言をするときに、あそこを掴んでしたんだって。それの名残で、似てる言葉なんだって!」と言うと
「うわ~そんなの聞いたことない!絶対に誰かに騙されてる!」と言って、ますます爆笑してソファーからころげ落ちていた。笑いすぎだろ。