8 パンダと徐福

文字数 1,232文字

 温泉で有名な和歌山県西牟婁郡白浜町。
 熊野の西端にジャイアントパンダがいます。
「人と動物と自然とのふれあい」をテーマにしたテーマパーク、アドベンチャーワールドにいます。恩賜上野動物園のパンダは有名。しかしアドベンチャーワールドのパンダは、あまり有名でありません。
 2017年6月、恩賜上野動物園で香香(シャンシャン)が産まれて騒がれましたが、アドベンチャーワールドは2020年11月までに18頭の繁殖実績があります。中国以外で最多で、1994年に成都大熊猫繁育研究基地本部の支部となってます。
 動物園の歴史も、希少動物の繁殖実績もあり、パンダの飼育実績も、パンダの飼育予算もアドベンチャーワールドよりもある恩賜上野動物園。何故、パンダの繁殖実績は恩賜上野動物園よりも、アドベンチャーワールドがあるのでしょうか。
 何故、熊野のアドベンチャーワールドは繁殖実績があるのでしょうか。努力だけでありません。
 熊野は、パンダの祖国と風土が似てるといわれます。



 蓬莱山のある三重県熊野市波田須町。
 熊野の東端に徐福が辿りつきました。
 徐福は古代中国(秦)の、祭祀、祈祷などの神仙方術を行う方士。のちの道教の道士。
 徐福は秦の始皇帝の勅命で、不老不死(長生不老)の仙薬を求め、3000人の童男童女を従え、財宝財産と五穀の種を持ち、東方の、海の彼方の仙山、蓬莱山へ渡りました。
 徐福は帰らず、平原広沢(葦原)で留まり、王となりました。
 全国各地に徐福伝説があります。
 台風の海難で、熊野に徐福は辿りついた説が有名。三重県熊野市波田須町に徐福ノ宮があります。同地で秦の貨幣が見つかってます。また、波田須という地名は、本来は秦住(ハタス)といわれてます。

 熊野に、徐福が辿りついた処がもうひとつあります。
 熊野川の河口に、熊野速玉大社の摂社の阿須賀神社(和歌山県新宮市阿須賀/村社)が建ってます。べつの蓬莱山を神体とする祭祀場といわれます。祭神は、事解男命と速玉大社の速玉大神、本宮大社の家津御子大神、那智大社の夫須美大神。境内に弥生時代の遺跡がみつかり、熊野信仰の発祥地といわれます。そして徐福の宮があります。
 何故、熊野で徐福は留まったのでしょうか。帰れなかっただけでありません。
 熊野は、徐福の祖国と風土が似てるといわれます。

 またもミステリっぽい、トンデモっぽい論考となりました。すみません。
 という事で続きます。



 おまけの神社。
 アドベンチャーワールドの近所の熊野三所神社(和歌山県西牟婁郡白浜町/村社)。祭神はイザナミ(伊弉冊尊)、速玉男命、事解男命。本殿の下に磐座が、後に巨岩があります。熊野三山よりも古社で、熊野三山と関係のない磐座信仰の神社と考えられます。
 磐座(岩倉)信仰は自然信仰(精霊信仰)で、神(精霊)が宿る、または依代(神代)として神を降ろす巨岩や奇岩の信仰。宿る神域として、降ろす神籬として標縄を張ります。神は高木でなく、巨岩や奇岩に降りてました。
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