3 技術が分かる!

文字数 872文字




第三に、この図で技術に4つの矢印をつけると、
社会活動を豊かにして文明を発展させる、
技術の種類を説明できます。

これらはいわば技術が社会に働きかける時の、
直接・間接・自助・互助経路(ルート)
呼ぶことができます。

具体的には、社会を大きく直接的に変える、
農耕、動力機関、電算機といった画期技術、
画期技術の利用に必要な物的資源化を行う、
土建・冶金、電機・化工、光電子・ソフトウエアなど実現技術、
科学・技術自体の発達を助ける研究・開発技術、
制度・政策の実現を助ける社会工学的技術です。

これを簡単に言うと(順序は変わりますが)、
『(技術を)産んで、(物的資源を)育てて、
(社会を)変えて、(政策を)助ける』
研究・開発技術、実現技術、
画期技術、社会工学的技術
という風にまとめられると思います。

画期技術は、農業・工業・情報社会のように
文明の発展段階を分ける技術であり、
その2つの特徴とは、
①新たな分野を(ひら)く新規性と
②多くの他技術を助ける多能性です。

画期技術は、新たな領域を開拓します。
農耕は体外物質、動力機関は体外動力(エネルギー)
電算機は体外情報媒体の利用、
AIは体外知性の利用において、
大きな飛躍を実現しました。

そうした新規性が文明を生み、世界に広げ、
さらには文明活動の効率化によって
地球的限界到達の衝撃を緩和し、
今後は惑星上における持続的発展を、
可能にするのではないかと思います。

また画期技術は多くの他技術を可能とし、
向上させて、直接的に社会を変えます。
この直接的とは、物理的な直接性ではなく、
この時代を作った技術を一つあげるなら?
といった役割上の直接性です。

逆に言えば、田畑やエンジン、電算回路も、
単独ではその大きな力を発揮できません。
文明の発展には画期技術を中心としつつ、
実現技術など他の技術も合わせた、
技術導入が必要だと思います。

以上を知れば、『第三の波』(A.トフラー)や
『シンギュラリティは近い』(R.カーツワイル)
『サピエンス全史』(Y.N.ハラリ)という
技術・社会論の名著に書かれた、
農業~情報技術やAI、社会工学的技術といった
技術の意味も理解しやすくなります。
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