2 文明と環境の関係が分かる!

文字数 844文字




第二に、六つの要素を円周上に並べた時、
3つの文明活動要因と3つの内外環境要因を
明快に分けて示すには、
両者をまさに六芒星(ろくぼうせい)(ヘキサグラム)の形に、
それぞれ〝逆三角形〟と〝三角形〟の線で結ぶのが、
一番簡単で区別しやすいからです。

また、このように図示すると、文明と環境が
相互作用の関係にあることが分かります。

前章の文明発展図においても、
3つの文明要因と3つの環境要因は、
交互に変化、または課題化していました。
これは文明と環境の相互作用を示しています。

さらに大きな目で見ると、本図のように、
技術とは文明から環境への働きかけであり、
政策とは変化した環境に文明が適応するための、
文明活動の自己制御である、とも言えます。

高度な文明活動もまた、
『生命活動は生物と環境の相互作用である』
という生物学の基本原則に従っている、
ということが分かります。

文明活動と環境条件が交代で並ぶだけでなく、
両者の中でも最も大きな本体と言える、
上部の自然・社会環境と下部の経済・社会活動が
向かい合う構図は、それを示すうえでも便利です。

文明要素と環境要素の分け方についていえば、
3つの文明活動は、知る・決める・行うという、
知・情・意・体やPDCAサイクルのような、
知的活動の過程(プロセス)による合理的な区分です。

ただし、政策は意思決定といっても、
統一性が重視される社会的な決めごとであり、
人々が色々な社会活動を営む中から作られるので、
個人の決定・行動と順番が逆になります。

3つの環境要因も、文明内部で技術の対象となるモノ、
技術の客体と共に、政策の主体にもなるヒト、
文明を取り巻き、あるいはその基礎となる、
より大きな自然・社会環境という明確な区分です。

ただし、この社会環境には歴史や文化という形で、
〝自分達の過去の活動〟も含まれるので、
次の文明段階に進むための技術導入の際には、
それまでの文明全体の成果が問われるといえます。

文明と環境の相互作用を知ると、
後述のように、文明課題の解決には
〝新技術の導入を含む総合政策〟が
必要なことが分かります。
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