はじめに

文字数 707文字

 この小説は、小酒井不木の短編「血の盃」をベースに書かれています。青空文庫にありますので、まずこれを読んでから読まれることをおすすめします。

 https://www.aozora.gr.jp/cards/000262/files/48068_39012.html

 ごくごく短い話ですが、読むのが面倒くさいという方向けに要約しておきますね。これだけ押さえておけば、問題なく「血杯異聞」の世界に入っていけると思います。

「裕福な家の一人息子と、貧乏な町の娘が男女の仲になった。二人は幼なじみで、純粋な娘は男と結婚できるとばかり思っていたが、男にしてみれば単なる遊びだった。当然のごとく娘は捨てられた。そればかりではなく、男からうつされた梅毒のせいで失明してしまった。娘は男への恨みを募らせる。一方男は、さる家の娘との結婚が決まった。いよいよ婚礼の時、三三九度の盃の上に、ぽたりと赤い血が垂れた。新郎がなにごとかと屋根裏に上ると、そこでは縊死した女がぶら下がっていた。」

 …とまあ、こういう話です。正直自分は、これを読んで、何とまあ下らない小説だろうと思ったものです。下らなすぎて腹が立ちました。そこで、俺がもっとマシなものに書き直してやろうと思ったのが、この小説を書き始めたきっかけです。でも途中で飽きて、そのまま放ったらかしになっていました。さっきファイルの日付を見たら、もう十二年も前のことです。いやはや。でも読み返してみたら、我ながら、なかなかの力作なので、今回続きを書いて、完結させてしまおうと思います。とりあえず、自分の尻を叩く意味で、何回かに分けて、今まで書いた分をアップします。さて、どうなりますことやら。
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