第4話

文字数 591文字

まずい、まずいぞ。
他にお二人からいいねいただいてマッチングされてしまった。
おひとりには前回同様のメッセージを送信したら、返信来ず安心した。
けど、もうひとかたは、先にメッセージを送信して来てしまった。
そうなると開封も出来ないし、例のメッセージで謝罪する事すら出来ない。
僕も話するくらいなら全然オッケーなんだけど、その為にもし課金出来るとしても月額500円くらいだ。
いや、課金はしたくない。
みんな本気の婚活・恋活なんだ。
こんないい加減な気持ちで無課金を決めこんで覗き見した僕は、なんて最低な人間なんだろう。
いや、だってさ、「女性から先にメッセージを送って来るのは10%だかなんかだから、男性が積極的にメッセージを送りましょう!」みたいに書いてあったし、まるで指名手配犯か死刑囚みたいな顔写真を晒している僕に、女性からいいねが来てメッセージが来るなんて夢にも思ってなかったんだ。
この罪悪感。
ちくしょう。
しかも中々の美人だ。
メッセージに既読も付かず、何の説明もされなかったらプライドが傷つくんじゃないか?
まずい。
また、誰かを傷つけてしまった。
ほんの自分の気晴らしのくだらない思い付きのせいで。
いや、待てよ。
お相手はそんなに深刻に考えてないんじゃないか?
でもこんなふうで、もし僕に普通にお金があったら、不本意な課金をしてしまうのかも知れない。
げに恐ろしや。
退会して、二度と開かない事にしよう。
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