第1話

文字数 624文字

まみちゃんはどうかしてる。
かわいいのに。
今や離れてメル友みたいな関係。
しかし、頑なに「さきちゃんしかいない」と言い張る。
何回喧嘩ふっかけてもダメだ。
「50、60、これからだ」
ちいちいも言ってたじゃないか。
君の今の魅力。
それは、期限付きだ。
しかも、結構差し迫ってる。
それでも、僕はダメなんだ。
金がなさすぎるし、見込みがない。
きみとの未来の為に頑張る。
きみが好きだ。
だから、そう、思えたら。
だけど、きみの事を考えたら。
いずれババアだぜ?
僕なら、きっとかわいいババアだと思える。
だから、僕はその時出番だ。
最後にひと花咲かせなよ。
女盛りだぜ。
こないだの大喧嘩は本気だった。
でも、すっかりもとの鞘。
「さきちゃんにかわいいと思われればいーよ」
「さきちゃん以外は食事とかも面倒だ」
「さきちゃんとしかしたくない」
違う。
違うぞ。
棒に振る気か?
僕らは子供たちの事では繋がってる。
けど、男と女として。
もう、切れようよ。
僕だって、毎日死にたい朝。
スマホの待ち受けにきみ。
かわいい、きみ。
それで、十分、今は精一杯なんだ。
きみを幸せにしなきゃと思うと、ずーんと重たい。
お互い楽になろうよ。
手っ取り早いぜ。
気のせいさ。
人違いだぜ。
僕に、期待しないで。
頑張って、僕を助けようなんて、夢にも思っちゃダメだ。
わかるんだよ。
見えるんだ。
後悔に包まれ衰弱する、キン骨マンみたいに老いさらばえたきみ。
このままでは不可避な未来。
どうする。
あ、そうか。
僕から、離れたら良い。
僕に相手が出来れば。
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