マンガ講座・第四会場

文字数 7,042文字

○文字ばっかりマンガになってしまう。

○雑踏が描けない


○機械が描けない


○資料を使う

riutot

雑踏は登山と同じ。登山は頂上ばかり見ていると辛くなる。少しだけ前を見て登り続けることが疲労感を散らすコツ。それと一緒で、だいたいのパースとアタリを付けたら全体を眺め過ぎず、手前からコツコツ描いてく。
雑踏の一人一人にもそれぞれの人生、ストーリーがあるってことを頭に起きながら描いいてくと案外楽しめる。まぁ、もちろん目立ち過ぎちゃマズいけど。
あ、フライングしてしまった(^_^;)
これ、最近学生さんと話した内容と同じです
この世界にモブなんていないよ!
>>雑踏の一人一人にもそれぞれの人生、ストーリーがあるってことを頭に起きながら描いいてくと案外楽しめる

講師の皆様、ユーザーさんからのご質問を受付ける時間、ありそうですか?
自分は大丈夫です。
これ、ちょっと嫌な話なんですけど。

だいぶ前、後輩がずーっとマンガ家の先生のアシストに入ってたんですね。

で、ものすごくスキル高い人なので、重宝されてずーっと背景とモブ描いてたんです。

何年かして、じゃあオリジナル作品描いてごらんって編集さんに言われて、気合い入れてアップしたんですね。

それが、雑誌には載ったんですけど反応がよろしくない。読者はもちろん、編集部内でも。

大丈夫です>ユーザーさんからのご質問を受付ける時間
あ、私も平気です<時間

(続き)

「何ででしょう」って言われて見せてもらったんですけど、理由は一目瞭然でした。

主人公がモブなんです。モブサイコの人じゃないです。

明らかに「主人公を邪魔しないその他大勢」になってしまっている。

通行人Aをずっと描き続けてて、もう、それしか描けなくなっちゃったんですね。

ですから、ベルネ先生のおっしゃる

「モブなんていない」っていう考え方って大事だと思います。

タイバニのモブ子とかね。モブであってもそれぞれの人生があって欲しい。濃すぎないこと肝心ですが。

アシスタントは余り長期にやりすぎてはいけないって事ですよね…
生きてる、立ってるキャラが描けなくなってしまうと辛い。いくらスキルが高くてもね。
ピンでやるには「俺がやる」って自己顕示欲が強くないと無理ですよね。
判りすぎて辛い。
でも、それは「気が付けば」よいことなので、「普通であること」も
作者の「気」の入れようで、充分「キャラクターとして立つ」ものは描けるはず。
而して、
モブを描くときも、やはり「群像」の面白さを楽しんで描き込むことって大事だと思います。
アニメで例えれば、作画監督にはなれても、キャラクターデザイナーになれる人はそう多くはないってこと。
まあ、腕のいいアシスタントはある意味マンガ家よりも食いっぱぐれはないので(^^)

最終就職先と考えるのはありなのですけどね。

先生の右腕となって一緒にマンガ作ってゆくのも素敵だと思います。ほんと。

アニメはマンガ以上に皆で力合わせて作るものですものね。ときどき一人で何でもかんでもやってしまう怪物があらわれますが(^_^)
機械が描けない コックピットとか昔で言えばオーディオセットとか
扇風機から自転車から、

どうも苦手意識が強くて…
仕組みが判らないと描きにくいですよね。
自分は主人公とモブの最大の違いは「眼力」の差だと思います。まあ、映画で主役張れる役者とそうではない役者の差と言うか…
ここは高山先生に伺いたいですね、機械の描き方。

私のメカニック作画は零士メーターで止まっています。人や馬の顔にメーターあるたぐい。

先生、扇風機が描けません!
例えば自転車だと車輪の置き場所から決めますが、そういう感じで良いでしょうかね。

自動車は全体を大まかにぼこっと配置して、そこからフォルムを削り出してゆく感じかなあ。

「好きこそ物の上手なれ」と言ってしまっては元も子もないですが。結局描いた量がそのまま絵にも出ると思います。

例えば同じメカが得意な人でも車は描けても、戦闘機は描けなかったりってことはありますので。

プロペラ描けたら、色んなものが描けそうじゃないですか
潜水艦とか
機械とはずれますが、鎖とか三つ編みの描き方っていつ頃覚えました?

誰しも、「あ、こうかけばいいんだ」って気づく瞬間があると思うんです。これらの案件。

あとレンガと金網。

プロになってから、アシスタントさんから教わりました。>煉瓦と金網その他もろもろ
モブの話にもありましたけど、結局「気づき」って大事だと思うんです。

プロペラもきっと、ちゃんと資料を見て描いていくうちに「あっ、こう描けばいいんじゃん?」って気づく瞬間があるはず。

私は描いたことないので、憶測ですが(きっぱり

あっ、四角で扇風機の構造を! なるほど…!
プロペラの厄介なところは、やっぱりブレードが主軸に対して斜めに付いている所ですよね。それに微妙に湾曲してるところ。
今ちょっと調べて見たらプロペラの基本構造こんな感じでした。なるほど。

自分で感心してどうする。

(この間にベルネ先生がすごいリアルなせんぷうきの画像を用意しているにちがいない)
無茶振りはさておき、平行して質疑応答でしょうか、そろそろ。
扇風機の方形のアタリ線が判りやすいです!!

鎖とか三つ編みとか金網などは、アニメーター時代に経験しました…(^_^;)

と言うか、自分のデッサンやパース感覚の基礎は全てアニメの現場で実地で叩き込んだ感じです。

ご質問受けられます。是非。

資料についてお話ししつつ〜
下記も…ちょこっとお話ししつつ
・トレス問題がわからない
・良いトレスと悪いトレスがあるの?
・模写トレスすると上手くなる?
・描けない場面を他のマンガの構図を参考に描いたらダメ?
・描けない場面を写真の構図を参考に描いたらダメ?
・自分の撮った写真でも使えないということがあると聞きました何故?(商標建物問題)
三つ編みは、リボンで編み込んで、理解しました〜。
出来ることはやってみるのが一番ですね。

模写=お手本となるものをよく見て、似せて描く

トレス=ライトボックス等で透かせてお手本をそのままなぞる

という解釈でよろしいでしょうか。念のため。

資料はどこから?
基本
大体知っているものはネットでも調べられる
よく知らないものは「図書館」「本」「取材」リアルで探すのがお薦め。
ですです>模写=お手本となるものをよく見て、似せて描く

トレス=ライトボックス等で透かせてお手本をそのままなぞる

トレースは色々難しい問題ですよね。

取りあえず最低限、絵画であれ写真であれ、他人が発表した作品をそのままトレースした物を自分の作品として発表するのは避けようってこと。練習の一環としてやるのはアリだとは思います。

高山先生がするっと正解を…
さっきプロペラ描くときにそれこそ画像検索して見て描いたんですけど、「これは」っていう画像が意外とないんですよね。電話をかける人、箸を持つ人、けっこう画像はあるのに欲しい一枚がなかったりします。そういうとき、模型でもいいからプロペラが手元にあればすぐにわかるのになあと思いますね。電話をかけるなんかにしても、自撮りしちゃった方が早かったりする。リアル資料大事です。
アニメーター経験者として言えることは、ただ線をなぞっただけでは絵としては死ぬと言うこと。絵ではなく、ただの図形と化してしまいます。
ですね(*´∀`*)<正解

さきほど「よく見て描いて、こう描けばいいっていうのに気づく」って言いましたけど、

トレスもその大きな手助けになります。

パッと見ただけだといまいち掴みどころがない構造物でも、

トレースしてみることで「あー、こういう風になってるんだ」って気づくことがある。

実際、自分の目で直に観察して描いたものと、ただ資料写真だけで描いたものでは、ディテールが全然変わって来ますよね。

まぁ、直接取材不可能なものの場合でも、資料の量は多ければ多いほど、本物に迫れると思います。あとは想像力で補う(^_^;)

「ただなぞっただけでは線が死ぬ」

これ、下描きをトレスでペン入れする人にも注意して欲しいです。


むかし、ゲラを入稿するときに「この写真はこの場所にこの大きさで入りますよ」という指示を出すために、

ポジフィルムをトレスコで縮小拡大したものをゲラの画像が入る部分に写して、その輪郭をなぞりました。出版業界で「アタリをとる」という工程です。

そうすると、みごとに線が死んでるんですよ。

例えば、写真トレス背景も、パースが判って使うのと、ただトレスして使うのとでは、背景の「活き活きと活写され感」が大分違います。
しかし、使い方によっては「トレス」は効果的な「背景素材」になります。

自分で作品用の背景を撮影して、どんどんトレス背景に活かしていったり
自分用背景資料集を作って行くのもお薦めですよ。
トレス風背景の「写真陰影」の格好良さは、活かせたら、ほんとにカッコいいのです。

模写でも、他人様の写真の
「構図構成含めたその写真の独自性」を写してしまっていたら、それはNGな場合がありますね。
他社の創作物には基本「著作権」があり、ブランドなどの商標は、ちょっと変えて使うのも今はNGですね。
描けない場面を他の作品や既存の写真から取ってくると言うのも「程度による」ですよね。「丸写しにはしない」って矜持を持っていれば、例え参考にしたとしても、パクった絵にはならないと思います。
とっさに安達祐実の画像をトレスしたとは誰も気づくまい
・描けない場面を他のマンガの構図を参考に描いたらダメ?
参考にするのはOKだと思いますが、トレスはNGなのはもちろんのこと、元ネタばれるのはちょっと恥ずかしい


丸写しにしない。
高山先生、ずばりそれです。(語彙力)
なぞり書きは線が死にますね〜。
・描けない場面を写真の構図を参考に描いたらダメ?
これも他人様の写真の場合、「丸写し」はNGですね。
参考程度に…元ネタから如何に自分の作風に落とし込んでゆくか
苦心してみれば逆に「活き」てくると考えます。
おお、日高先生の「活写トレス」
自分は資料用に写真沢山撮りますが、今まで一度も写真トレースをしたことがありません。なぜかと言うと、どうしてもイメージ通りの画角の写真が得られないから。100枚の写真があっても、どうしてもしっくりせず、妥協の絵作りになってしまいます。ネーム描いた後取材に行くような作り方しないと中々難しい。

画像は自分で撮った踏切をトレスしたやつです。

そういえば、むかあし他の人のマンガをコピーして背景に貼ろうとした先生がおられましてな…。編集さんが青くなって止めたら「えっ皆こうしてるんじゃないの?」て答えたそうなのですが、だめです。ちなみにその先生はのちにとてもえらい先生になられました。
わかります。>高山先生
私の場合は、想定画面に基づいて写真撮ること多いです。
大概相方(同居してる仕事仲間)に入ってもらって人物入りと
人物無しで撮ります。
>他の人のマンガをコピーして背景に貼ろうとした先生がおられましてな…。編集さんが青くなって止めたら「えっ皆こうしてるんじゃないの?」て答えたそうなのですが、だめです。

だめです…
私は高山先生とは逆に、素材を元に場面を決めたりします(^^)

ただ、さっきの踏切もトビラ用の一枚絵だからすんなり使えたので、お話の場面として写真トレスを挿入するのはなかなか難しいものがありますね。ことに、そこにキャラクターを乗せるとなると。パースの一致等の問題も出てきますし。

なので自分の写真取材はどんな角度でも描けるように出来る限り対象を360°撮るようにしてます。まぁ、デジタルカメラの時代になったからこそ出来ることですが(^_^;)
アシスタント先で、およそのマンガをぱたりと渡されて
ここにこの背景描いて…っていわれたことはあります。

70年代です。
まぁ、自分の作風が写真トレースに馴染まないって問題もあったりするんですけどね(^_^;)
今から30分くらいを質問タイムのリミットとして
その後は寝る…(w)ということで如何でしょうか?

ご質問ある人は御自由に割り込んで下さい。
是非是非
ですね<ラストオーダー

日付変わってますよ。30日ですってよ奥様。

31日まである3月のありがたさよ。2月が28日で終わってたからなおさら身に染みます。

トレースに厳しくなったのはやはりネット時代に入ってからかも知れませんね。70年代頃までは、パクリにも割と無頓着だったような気がします。それこそ盗作レベルでなければ割とあっさりスルーされてましたね…
そこらじゅうにあらゆるジャンルの警察がひそんでいるネット社会ですから(^^)

マンガ、というもののありようの変遷でもあるとは思うんですけれどね。

おおむかしはいまいちちゃんとした著作物だと見做されてなかったかもしれません。

一部の作品を除いて。

そのかみポップカルチャーって基本的に二匹目のドジョウを臆面もなく狙いに行くのが当たり前でしたから。

ある雑誌が売れると似たものがぞろぞろ後追いで出る。

ある曲が売れると似たようなものぞろぞろリリースされる。

それこそ元ネタ側が声をあげないことにはスルーするのが”暗黙の了解”だった節もありますね。

ただ、今はそれじゃダメでしょっていうのもまた時代の変遷です。

こちらも対応して行かざるを得ない。

あらお猫様の集会。
自分ちの前の路地の写真から半分トレス起こし(CLIPSTUDIO使用)
プリントアウト アナログでペン入れというシロモノです。
アレンジしてます。
猫でかいです。
これはご自宅でしょうか。障子破けてますが大丈夫かな
これは、構図決めてから、写真撮ったやつです。踏み台に乗ってます
コタツはPCの入っている段ボールで変えてます。
床の間は付け足しました。
これもクリップでトレス、プリントアウト アレンジトレスアナログ下描き>ペン入れです。
障子は、ハッキリ言って こんなじゃあないけど破けてます
むかし描いたメカSFっぽいやつが出てきたので賑やかしに貼ります。タイトルからわかる通り中身はひどいです。
今回は25時でいったんお開きにしますが
お題がこぼれたので
明日と明後日、時間を見て、下の課題に一個一個お答えしていこうと思います。
また、日高先生、高山先生も御自由な時間に対話式でなくても
独り言エッセイ風に気の向いたお題について入れて頂けると幸甚です。

○枠線引きや消しゴム掛けやスクリーントーンがめんどうくさい
○雑誌に掲載されたら、なんだか自分のマンガが目立たない。影が薄い。(絵的に)

その他
○投稿と持込どっちが有利?
○持込のやり方がわからない
○持ち込みして心が折れた
○プロ志望です。どんな心構えが必要?


因みに
質問 :枠線引きや消しゴム掛けやスクリーントーンがめんどうくさい
お答え:自分というもっとも愛する作家のアシスタントに雇って貰えたという光栄に良くしているつもりになって、自分のアシスタントさんに徹する。
委細承知仕り候。

「雑誌に掲載されたら、自分のマンガの影が薄い」(;゚∀゚)

私たいがい自分のマンガはまちがって載ってる別冊付録みたいなもんだと思ってました。


今回も一週間ほど解放しておきましょう。

皆様のお時間のあるときに、少しずつ書いていただけるとありがたいです。

第五会場も用意しておきましたので加筆、掲載、回答などに、ご自由にお使いください。

よろしくお願いします。

真面目に答えると、工程表を作って、ひとつひとつまめに潰して行く。というのが一番効率的。

成果が目に見える形で進捗すると案外苦痛が和らぐものです。
もろもろ了解しました。
はあい。ベルネ先生、高山先生、たけうち先生、お疲れ様でした。ご観覧の皆様、ありがとうございます!

工程表は作った時点で満足しがちなので、実行できるように心がけたいです…。

たけうち先生有り難うございます。
できますればもう1ウィークほど公開を日延べしていただければ。
今回、私のスケジュール立ての失敗で広報期間が短かったので〜。

では、先生方、今回も有り難うございました。
凝縮の2日間になったと思います。
残りのお題は第五会場にて、三々五々答えさせて頂きたく。
ご視聴の皆さま有り難うございました。
本日はここまでといたします。

ありがとうございました。

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登場人物紹介

belne


★ マンガ家 。 

NEMUKI+はないろ語り拾遺帖連載中!

 Kindleストアにて旧作販売中。 

精華大学ストーリーマンガコース非常勤でマンガの先生もやってます。 

アートファクトリィ公式  https://twitter.com/info_artfactory 

著者ブログ  kanzi888.blog24.fc2.com


高山瑞穂


漫画家。

自分の同人誌で連載していた作品が出版社の目に留まりその作品の単行本化にて事実上のプロデビューを飾る(当然売れるわけもなく)。

その後昔取った杵柄(アニメーター)のお陰で「機動戦士ガンダム外伝」「機動戦士ガンダムSEED」など、ガンダム漫画を多数執筆することになってしまう。

現在は京都精華大マンガ学部で特任講師を勤めています。


日高トモキチ


1965年宮崎県生まれ。漫画家・イラストレーター、よろず物書き。

早稲田大学在学中に漫画研究会に所属し、創作活動を行う。

卒業後は出版社勤務を経て独立、漫画作品の製作をはじめ、小説や雑誌企画の挿画、取材記事執筆等を幅広く手がける。

代表作『トーキョー博物誌』『原色ひまつぶし図鑑』『水族館で働くことになりました』(漫画作品)『里山奇談』(共著・小説集)ほか。

2012年より京都精華大学マンガ学部にて講師職を拝命。

表現技法担当教官の一人としてプロット構成から作画に到るまでの工程を指導、各人の個性や習熟度に応じた柔軟な育成を目指す。

また、表現としての実用・エッセイコミック/マンガ表現の多様性についてのレクチャーを行っている。


たけうちりうと


もの書き。第一回ホワイトハート大賞受賞『INTENSITY』でデビュー。

商業誌作品:小学館『こゆるぎ探偵シリーズ』・講談社『ウスカバルドの末裔』他

介護体験記『介護は戦だ! GB包囲網作戦』

note・PIXIVにてエッセー・小説・イラスト・音楽・写真を掲載してます。

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