マンガ講座・第三会場

文字数 6,275文字

試運転

絵の、SOS質問集

○人物が背景に埋まってしまう。


○右向きの顔が描けない。


○同じコマにふたりのキャラを入れるのが大変。


○会話を描くとつまらない画面になってしまう。


○文字ばっかりマンガになってしまう。


○雑踏が描けない


○機械が描けない


○資料を使う

○人物が背景に埋まってしまう。

人物は、背景に、埋まりやすい。

こんばんは。今地下鉄からの投稿です。

ペンタッチを理解して練習しておくと便利。
あっ第3会場で始まってた! こんばんはアシスタントの日高です。
昨夜は失礼しました。

高山です。よろしくお願いします。

わーい高山先生だヽ(*´∀`)/

今夜なんでか通信環境が不安定なので心もとない日高でした。

よろしくお願いします。

ああ高山先生が、来てくだすった。
ああ高山先生が、来てくだすった。
背景に人物が埋まってしまう問題の一番の原因は、やっぱりペンタッチの使い分けにあるのは間違いないですよね。

取り敢えず簡単に言えば、人物の外側の輪郭をちょっと太くするようにするだけで全然変わってきますよね。

早速本題ですが、背景技法とは、違う、簡単な、人物の浮かせ方で、

例えば、背景が、込み入っていると、どうしても、人物が、沈みがちですね。人物に、タッチ(強弱)を付けるだけでも、浮き上がってきますよね。

細くても、材質感が変われば、観る人には、解ってもらえます。

人物の周りに白フチをつけるという手もありますね。物理的に。

<背景に埋まらないため

セルアニメの場合には、背景という別素材の上に人物というセルに描かれた素材が乗っかっていたので、埋まらなかったわけです。イメージとしては、そういう感じもありますね。
人物白ふちは、万能なので、さりげなくマスターするのは、推奨です。

背景を、細い線で描かなくても、無機質な感じにするだけで静かになってくれます。

材質違うものの、描きわけは、大事だと思います。

また、背景を、細い線で描かなくても、無機質な感じにするだけで静かになってくれます。



これは文字に白フチをつけた例です。


輪郭線の処理を覚えれば、実は背景もメリハリのある立体感のある背景も描けるようになりますよね。
これはデジタルなので、描き文字を別レイヤで作ってクリスタの「色域選択」ツールで文字色をチョイス、「選択範囲をフチ取り」コマンドで好みのピクセル幅で白フチをつけてしまっております。あら簡単…。
逆に背景を生き生きとタッチを効かせて、有機的に、描き、人物は、マンガらしいデフォルメをする方法もあります。

アニメは、どちらかというとこちらでは、ないでしょうか。

緻密な背景にシンプルな人物が乘ってる状態というと、水木しげる先生の作品が浮かびますね。

ねずみ男とか鬼太郎は絶対に背景に紛れません。

アナログ原稿の白ふちは、良く練って、適度な水分量のホワイトにゴシック筆で、ちまちまと縁どっていきます。面倒ですが、大変気持ちいい作業です。
ほんのちょっとの差でかなり変わりますよね。
そろそろ次のテーマ。

○右向きの顔が描けない。(>_

おお、輪郭線の、わずかな違いが、くっきり違いますね。
向かって左は建物のラフな輪郭に見えますが、右は明らかに使徒のたぐいですね<立方体

描線の「生き、死に」の差であるとも言えます。

遅刻です〜すみませぬ、今来ましたー
(特に紙の)マンガは右から左に読みますので、左向きの顔が描けるというのは大前提として。

キャラクターが右を向く(振り返る)、というのは今時描けなくては困るところですね。

右向きの、つまり、利き手側に向いた横顔は、私も、苦手なんです。


ちょっと話はそれますが、70年代くらいまでの漫画ってあんまり顔の向きのバリエーションないですよね。俯瞰はまだしも、アオリとかまずに出てこない。正面図の髪型が謎のキャラとか普通にいたんですよね。でも、マンガとしては十分に成立していた。

マンガ表現がより映像的になるにつれ、必要になっていったスキルであるように思います。

裏に書いて裏返し、ライトテーブルで下から照らしてなぞって描く、という方法で練習した時代がありました。40年前ですが。

一つは、色々な練習で、克服する道。

おお、どうやって克服を?>ベルネ先生

紙を天地逆さにして狂いを見たり。

水平方向でなくて天地で…?
反対からすかして見たり

自分の苦手と、クセは、知っていて損はないです。

自分の苦手と、クセは、知っていて損はないです。

私はよくある基本形ですが、顔というのは球に十字だと考えるようになってたいがいの向きは描けるようになりました。顔だけですが。
はい、天地逆さは、かなり、狂いがわかります。
すみません10分程中座します。
自身の作画過程を動画でアップしてらっしゃる先生たちの手元を見てると、デジタル作画でもけっこう上下左右反転なさってますよね。
恐怖の左右反転(^_^;)
丸に十字とえらい違う作画が来たぞ…高山先生はどちら向きでも自在に描き分けなされてそうですが、コツはどんな感じでしょうか?
昔、自分の漫画が欧米に翻訳されたとき、左右逆版にされてしまって、それ見てのた打ち回った経験があります(^_^;)
えっこれ左右反転ですか。全然気づかなかった……(モンスターエンジン風に

とくに違和感ないじゃないですか。デッサン魔人か。

大友克洋先生のAKIRAが英訳された際、横組になるのでやはり左右反転だったのですが、

デッサン魔人ゆえまったく違和感がなかったという……。

最近はMANGAが広く読まれるようになったので、裏焼きせずにそのまま欧米でも出版してるそうで。よかったよかった。

むかあし知人のイラストレーターに「左右反転してデッサンがおかしいように見えるのはデフォルメもあるから俺は別に気にしない」と言われました。とても巧い人なのですが、なるほどなあと思ってあまり気にしないようにしています(楽な部分だけ真似をしたがる例)
戻りました。
右向き苦手なひとは、もれなく正面も苦手ではないかと思うのですが
私は苦手です。
もうひとつの対策として、
私は毎日球体描いています。
左が膨らんで右が痩せます。自分のクセを判っていると修正するクセもつき
ままよ、おかしいけど、これでいこう!という、判断も付きますね。

自分は若い頃にイデオンの湖川友謙氏の洗礼を受けていますので、形の捉え方が丸ではなく四角なのです(^_^;)
ただ四角で捉える落とし穴は、顔のメリハリが付きすぎて欧米人臭くなっちゃうことですが(^_^;)
自分もやってみました<左右反転


おお、湖川作画!

さらば宇宙戦艦ヤマトを劇場に見にいった時、アオリで呵々大笑するズォーダー大帝に戦慄したものでしたが、あれがすでに湖川さんのお仕事だったんですよね…。アニメ・マンガの世界にアオリを持ち込んだ人だと思います。

イデオンやダンバインの頃から、アメコミ風だなあと思ってました(*´∀`*)<湖川キャラ

アジア人の骨格とはちょっと違うのかもしれませんね。

でも、立体の概念としてすごいわかります。勉強になるわあ。

○同じコマにふたりのキャラを入れるのが大変。

これは、どう大変なんでしょうね?

ふたりどころじゃない人数がいるぞ
漫画のシリアス絵でなければ、なぜか、右向きも自在なのですが
デフォルメバランスなのだと思います。

ともかく自分の描きグセを覚えておくとよいです。
これは背景の本ですが
人物にせよなんにせよ絵を描く人必見なので是非
湯浅誠先生のこれ、役に立つはずです。
正方形描くのは、やっておくと手グセが、丸わかりになります。
https://books.google.co.jp/books/about/風景デッサンの基本.html?id=qFBbngEACAAJ&source=kp_cover&redir_esc=y
時間配分もあるのでこちらふたつの典型的問題を

○同じコマにふたりのキャラを入れるのが大変。



○会話を描くとつまらない画面になってしまう。


これ、つまり「アングルと視線誘導のバリエーション」のお話しとして例題にあげました。

頭蓋骨の構造だ! <丸+四角

むかし「サルまん」で萌えキャラの骨格が不明だという話がありましたが、ものすごい基本的にはこういうことなんですよね。まったく骨格がわからない構造物は動かせない。そのまま自分の絵柄に当てはめようと思わなくていいですけど、困ったときに

覚えておくと役に立つ知識だと思います。

高山先生>この頭部図はメモメモですね。アンドリュー・ルーミスさんも考え方として上げてました。
同じコマに複数の人が入れにくいと感じるのは、以前のパースネタで語った通り、空間把握能力の問題と、あとはレイアウトバランスの問題だと思います。
なるほど<アングルと視線誘導
○どこに誰がいるのか

○カメラはどこにあるのか

を常に意識しようと。

私は、学生さんに自分の(学生さん自身の)顔をべたべた触らせています。

眉毛をなぞっていくと耳の上
鼻の下をなぞっていくと耳の下
頬がわから指で歯の付け根のほうを探るとどこまで口内は開こうとするか判る
顎をなぞって耳までたどると奥行きの立体が判る。
同じコマに複数の人物を配置するセンスは案外西洋絵画から沢山のヒントが得られたりします。自分はダ・ヴィンチやミケランジェロの宗教画や、レンブラントやミュシャなんかは凄く勉強になりますね。
あと、黒澤明やタルコフスキーなどの映画も大いに参考になります。
コマの中で、手を繋いだり、相手を指さしたり、掴み合ったり、肩を組んだり
させてみるのは大事ですよね。

案外膝詰め談判とか
向かい合ってカレー食べたりする
日常的な仕草が難しかったりしますね。
これは、とてもうなずけます!!>同じコマに複数の人物を配置するセンスは案外西洋絵画から沢山のヒントが得られたりします。
映画もアングルにはとてもヒントになりますね
かっこいいアングルの宝庫。
ちょっとポーズボタンで止めてみてスケッチしてみると、アングルのコツがわかるです。
(ものすごくどうでもいいまめちしき)

レンブラントのフルネームはレンブラント・ハルメンソーン・ファン・レイン。

姓はファン・レインで、レンブラントはファーストネームです。

イチローやサブローみたいなもんですか(たぶん違う

実は一番大変なのは日常的シーンの描写ってのは激しく同意します。日常的シーンは誰もが知っている風景なのでごまかし効かないですし。
レンブラントの豆知識。実は弟子の方が上手いww
>向かい合って食べてる状態

これ、常識的に考えると一度にふたりの顔が見えることはないんですけど、

必要とあればひとつのコマに入れ込んでしまえるのもマンガ表現なので、忘れないで欲しいと思います。

複数人物をコマに入れる
〇動きを感じさせる
〇面白さを追求する
〇観察する。
ところが、ヒントではないでしょうか。
レンブラント工房ですね(^^)<弟子筋。
レンブラントは実は手を描くのが凄く不得意で、X線で透視してみると、弟子は一発で形捉えているのに、本人は何度も描き直しているらしい…(^_^;)
会話の場面がつまらない。
これも、「面白く描こう」という意識次第でじつはめっちゃ面白くなるはずなんですね。


人物と人物のバランスの問題もありますね<複数

漫勉の萩尾望都先生編で、別々に描いた人物を拡大縮小して細かく配置を決めておられて、ああ萩尾先生がこうやって試行錯誤してる! って感じ入りました。

デジタルだと下絵を別レイヤに描いてあれこれ切り貼りしやすいですけどね。

「演出」の腕の見せどころですよね!<会話の場面

わざと淡々と見せてもいいし、大ゴマにわさっと全部詰め込んでもいいし、ところどころ全体の俯瞰を入れてみたり、顔以外の手や足を描くことで動きを見せたり。

背景なくても、ただの会話でも、動きを入れればなんとかなる。
飽きさせない会話シーンで自分が一番参考にさせてもらっているのは、浦沢直樹先生のネームです。アップやロング、そして仕草のアップや背景カットを駆使して、長い会話でも飽きさせません。
絵が不自由でも、工夫して、面白い画面にして頂きたく。
昨日からキーワードのように言っていますが
「楽しんで描いて欲しい」です。

浦沢直樹先生楽しそうですよね場面を描き出すのが…
どんどん行きましょう

○文字ばっかりマンガになってしまう。

これはストーリー作りのお話しでもありますが、でも文字ばっかりになる時ってありますよね。

第四会場を用意いたしました。区切りのよいところで移動をお願いいたします。
絵が「文字のスキマ」に入っているような状態になるときってあるです。
特にエッセイ漫画で凝縮して情報を入れていかなくてはならない場合。
文字ばかりだな、と思ったら、まずはテキストを推敲して圧縮させる。まずはそれから。
このタイミングで移動しちゃいますか?
有り難うございます。では
○文字ばっかりマンガになってしまう。
はこちらで

○雑踏が描けない



○機械が描けない



○資料を使う


から第四会場で
文字量って、
プロットからネームに
ネームから下描きに
「絵の情報が増加して行く」に従って、不要になるものがあるんですね。
たけうち先生

小説を書く時って、増量して行くものですか?
それとも削って行くものですか?
文字ばかり&会話の例です。内容はだいぶアレです。若い頃の仕事なので気にしないでください。
この局面で、ごちゃごちゃした会話が面白い漫画をお蔵出してくるですね>日高先生。
でも、アングルはぐりぐり工夫されてますね>日高マンガ
群像>アップ>俯瞰>アップ>群像

ひとつ注意しておきたいのは、「字が多い、イコール、悪い」ではないんです。決して。

むかし連載してた雑誌にみやわき心太郎先生が実録マンガを描いてらっしゃったんですが、これが本当に字が多い。けれど、抜群に面白い。まあ、内容が面白いんです。あと、圧倒的に見せ方が巧い。スキマに入る絵が、小さくてもいっさい妥協がない。

ダメなのはあくまで「必要のない字が多い」状態。

私は、けっこう意識して削り込んで行くタイプです。
削って削って、説明不足になると…ついには担当サンに多少増量されます。>ネムキの連載
小説のとき


いろいろでした。

1000枚描いて900削ったことあります(同人誌)

100ほどのものを300に膨らませたこともありました(雑誌からノベルズへ)


商業誌書き下ろしの場合は規定枚数ほぼぴったり派です。

日高先生大事なコト言った!!!

字が多いのはけっして「悪」ではない
面白いコとが書かれていて、すきまに入っている妥協のない絵があれば

必要のない字が多いのはNG
今はフリーランスですので、枚数は気にしていないです。

書きたい放題で好き勝手です〜

高山先生ご指摘の「テキストの圧縮、推敲」。

同じことを繰り返して言ってないか。

文章が長すぎて肝心な言葉が埋もれてしまっていないか。

センテンスは短く。

改行は読みやすく、効果的に。

私も「24頁」とか「16頁」とか「60頁」とかだと、殆どはみ出さずピッタリですが
8Pは時々はみ出します。 

削り派+セリフ圧縮派 です。

削るんじゃなくて、濃い言葉に置き換えて、文字数を減らすこともあります。
では、皆さま第4会議室へ。
枚数増やす、減らす、はさほど苦にならないですね。

〆切りまでの日数次第ですが。

一番難しかったのは、脱稿後に「登場人物ひとりを完全に消すように」と改稿指示が出たときでした。

ええええ<登場人物消せ

退場させろ、じゃなくていなかったことにしろってことですか……

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登場人物紹介

belne


★ マンガ家 。 

NEMUKI+はないろ語り拾遺帖連載中!

 Kindleストアにて旧作販売中。 

精華大学ストーリーマンガコース非常勤でマンガの先生もやってます。 

アートファクトリィ公式  https://twitter.com/info_artfactory 

著者ブログ  kanzi888.blog24.fc2.com


高山瑞穂


漫画家。

自分の同人誌で連載していた作品が出版社の目に留まりその作品の単行本化にて事実上のプロデビューを飾る(当然売れるわけもなく)。

その後昔取った杵柄(アニメーター)のお陰で「機動戦士ガンダム外伝」「機動戦士ガンダムSEED」など、ガンダム漫画を多数執筆することになってしまう。

現在は京都精華大マンガ学部で特任講師を勤めています。


日高トモキチ


1965年宮崎県生まれ。漫画家・イラストレーター、よろず物書き。

早稲田大学在学中に漫画研究会に所属し、創作活動を行う。

卒業後は出版社勤務を経て独立、漫画作品の製作をはじめ、小説や雑誌企画の挿画、取材記事執筆等を幅広く手がける。

代表作『トーキョー博物誌』『原色ひまつぶし図鑑』『水族館で働くことになりました』(漫画作品)『里山奇談』(共著・小説集)ほか。

2012年より京都精華大学マンガ学部にて講師職を拝命。

表現技法担当教官の一人としてプロット構成から作画に到るまでの工程を指導、各人の個性や習熟度に応じた柔軟な育成を目指す。

また、表現としての実用・エッセイコミック/マンガ表現の多様性についてのレクチャーを行っている。


たけうちりうと


もの書き。第一回ホワイトハート大賞受賞『INTENSITY』でデビュー。

商業誌作品:小学館『こゆるぎ探偵シリーズ』・講談社『ウスカバルドの末裔』他

介護体験記『介護は戦だ! GB包囲網作戦』

note・PIXIVにてエッセー・小説・イラスト・音楽・写真を掲載してます。

書いたり描いたり、撮ったり創ったり。遊び好き。


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