第4話 旅立ち

文字数 1,253文字

そして日がたち青空に恵まれた朝、レオは背中にリュックサックを背負い、カルベロッカの国民やエヴァン達に囲まれながら船の乗り場でエヴァン達に手を振った。

大勢の様々な国民に囲まれながら皆に手を振るレオ。

そんな中エヴァンはやはり弟子のレオが一人旅たつのが悲しいのか、この時ほんの一瞬顔を下を向き表情を隠しながら顔を手で押えた。

だがせっかくの弟子のレオが一人旅に出ると決意した晴れ舞台の日。

エヴァンはほんの一瞬、ほんの一時の間だけ表情を少し別れの悲しみの顔をした。

だがすぐにエヴァンは顔をあげ、笑顔で出発するレオに手を振った。

行ってらっしゃい。

ティファーの言った通り、私達はいつでも君の帰りを待っている。

ここが私と貴方の新しい故郷だ。

辛くなったらいつでも帰ってきなさい。

いつでも私は待ってる。

……フッ、だが君はすぐにはここには帰ってこないだろう。

君は自分が決心し言い出した言葉は最後の最後まで貫き通す性格。

私とずっと一緒にいるより成長し、一人旅の中で多くの事を学び、何かを掴むかもしれないかもしれない。

私もミシュランを失い、一人で生きていた時得られなかった何かが……

フフッ、でもいずれにしろ楽しみですよレオ。

君が自分で納得し帰ってきた時、私達に旅の話をたくさんしておくれ。

だからその時までは私は……

また会おう、レオ。

そうエヴァンがレオに対して思いにひたり出発するレオを見てそう思っていると、レオの乗っている旅の船はもうエヴァンから見えなくなるまで遠く船が出港していた。

レオはこの時遠くの世界を見ていた。

果てし無い無限の地の果てまで。

それはエヴァンと一緒に旅をしていた世界より違う色の世界をこれから見ることになるだろう。

一人で旅立ち、独立した環境。

この時わずか10歳のレオだが、エヴァンと一緒に旅をした経験をふまえてその経験をいかし、さまざまな困難にレオは乗り越えていくだろう。

そう、レオの心の中には強い決意があった。

決意があり、自分で決めた事は何物にも屈しない強い心が元々レオの心の中ではじめから持っているから。

旅立つ前にエヴァンからもらった通帳とティファーから譲り受けた身分証明書の特別な手形を持って、レオは自分の足で新たな1ページの幕をひらく事になる。



それから2年後、レオは大きくなり12の歳になった。

残念ながらこの時カルベロッカの国は魔族の王ハーバーの手によって国は乱れ魔族の国と化してしまっていたが、レオは運命的にもハーバーと出会い、戦うことになる。

レオの宿命はハーバーと戦い、悪を滅ぼすこと。

世を乱し、人間の弱さを知り利用しようとしているまさしく悪の象徴の姿こそ人間達にとってどう戦いどう立ち向かっていくのかそれが人間達にとって試練かもしれない。

まあいかんせよ、 これから戦う物語は今現在では先の話である。

まずは一人旅で成長したレオの姿を見て我々で見守っていこうと思う。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み