第2話 仮面舞踏会
文字数 5,973文字
場面が変わって城の宮殿の中。
そこには多くの人が集まりカルベロッカの国民がパーティーで仮装している中、その中でティファーは一人ベランダの外でワインを飲みながら休憩していた。
そして夜空を見ながらティファーは一人ポツリ、
「……エヴァンさん、やっぱりここにはもう来ないかな~。
今ごろまたあの子と一緒に国境を越えて、また旅の続きでもしているかもね。
はぁ~、やっぱりちょっと気持ちが前かがみすぎて結構ひかれたかな~。
昔から私、そういうとこあるからさすがにデリケートにかけるかなんとか……嫌われてしまったかもね、フフフ……
さっ、終わった事はしかたがないし、いつまでもくよくよしていられないわ!
会場に戻ってこれから始まるメインの仮装舞踏会を楽しんでくるわよ!」
ティファーがそう意気ごみ会場に戻ろうとすると、なにやら会場内からガヤガヤと多くの人の声がざわつき始め、その回りには人だかりができていた。
そしてその人の声から、
「……あれは何?恐竜?いくら仮装舞踏会とはいえ、あんな着ぐるみ……
ちょっと場をあまりにも間違っているんじゃない。」
ヒソヒソヒソ……
ガヤガヤガヤ……
ティファーがその人たがりをまたいで通り抜けその場所まで行くと、その会場の所には二人の着ぐるみをきた緑の恐竜と、依然どこかの店で購入したコスプレの怪しい天使の姿のレオが会場の真ん中にいた。
そして天使の格好をしているレオは、なぜか雷様みたいに頭がチリチリだった。
どうしてこんな格好をしている二人組なのか……
そして何故レオの頭は雷様なのか……
そのいきさつの経緯はこんな感じである。
レオがエヴァンの元に帰ってきた時、夕暮れの日が暮れようとしたその時、レオの体は全身傷だらけで、そこら辺りに全身が殴られた跡があった。
エヴァンはそのレオの姿を見て、
「どうしたんですか?レオ!
一体誰にやられたんですかその傷は?
こんなに傷だらけになって……
一体何があったんですか?」
エヴァンはレオの異常な姿を見てレオに詰め寄り、レオに向かって問いただした。するとレオは心配しているエヴァンに向かって、
「……すいません、先生。
先生の服を買いにお店に向かったレオですが、その先生の衣装を買いに行く途中、頬にキズを入れた怖い兄ちゃん達(ヤクザ)に絡まれ、不覚にも先生のお金を取り上げられてしまいました。
誠に申し訳ございません……」
それを聞いたエヴァンは土下座しハァハァと息を切らし悲壮な顔をしているレオに向かって、
「えっ!そんな事があったんですか?レオ……
レオ、貴方……
………
お顔をあげ下さい……
すいません、レオ……
私が買い物をいかした事でこのような事件に巻き込まれてしまって、腑甲斐無い師で申し訳ない……」
その後、レオは顔をボコつられながらノコノコとエヴァンの元に帰った。
案の定そこの金髪の姉ちゃんの店はぼったくりで有名な店……
レオは見事エヴァンからもらった有り金全部その店から吸いとられた。
そして後から怖いイカツイ兄ちゃんが現れ、金をぼったくられてこの時レオの残金は0円になった。
欲から出た怖い経験……
この時レオは何歩か先に大人の怖い世界を経験した10歳のまだ幼い小学生のレオ……
目先にある欲から出た体験……
世の中そういい話はないとこの時レオは子供ながら身を持って感じた。
それはさておき、エヴァンの元に帰ってうそ泣きを演じる、10歳のレオ……
役者の芝居も華々で、ア●デミー賞をとれるぐらいエヴァンに向かって見事役を演じきっており、レオは迫真の演技をした。
そしてエヴァンはその泣いて演じきってるレオに向かってこの時見事騙されており、ただただ泣いているレオを見ては慰め、励ましひたすらレオに向かって謝り倒していた。
レオはそんなエヴァンを見てこの時なんとか金がなくなった事はチャラにできると感じ、顔をにやけ、話が流れると感じた。
そしてこのままいけると、尚且つエヴァンの体を抱き締めエヴァンの胸でひたすら嘘泣きを演じた。
レオはそんなエヴァンに向かって、
「先生(しぇんしぇい)……ごめん……」
「レオ……」
レオがエヴァンの元で大泣きをしひたすら下を向いて泣いていると、レオのポケットから一枚の写真がぴらっと出てきた。
エヴァンはとっさにその写真を手に取って、
「なんですか?これは……?」
と、無言でその謎の写真を見つめ、ただただじっと見つめた。
「…………」
「エヴァン先生、ごみぇん……」
レオがひたすらエヴァンの胸でうそ泣きをし泣いていると、エヴァンはこの時写真を手に持ち震えながら泣いているレオに向かって目線と写真を交互に向け見ていると、うそ泣きを演じてるレオに向かって下を向きながらボソッと、
「……パフパフ同好会。バッチぐぅ~(^_^)
…………
……何故私がこんな如何わしい店に写真にまんべんの笑顔でピースをしながら写っているのか……
何故私が金髪のイケイケのお姉さんに囲まれ喜び勇んでいるのか……
……レオ、貴方~!!!!!!!!!!!!!」
するとエヴァンの顔が怒りで赤くなり、ワナワナし震えていると、レオはレオのお店で写したマル秘のお気に入りの写真をエヴァンに見られてエヴァンがそれを見て怒り狂ってると、思わずその姿を見たレオは、
「あっ!」
と口に出した。
そしてその瞬間レオの頭にエヴァンの雷の魔法が炸裂した。
レオはこの時チリチリのイカツいパンチの効いた雷様の頭になった。
そしてそれはまるでエヴァンの呪いがかかったようにずっと髪型が治らなかった。
そのまま会場に来た二人にレオは、元々持っていた天使様恋のキューピットセットのコスプレを来て会場に、そしてかたやエヴァンは、閉店間際の半額の叩き上げセールの売れ残りの恐竜ガオちゃんの着ぐるみを購入し急いで走ってこの会場に来た。
変ないきさつを辿った二人だが、なんとか仮面舞踏会に間に合った二人。
ティファーはそのレオのチリチリ頭を見てすぐに隣に着ぐるみを来ている者をエヴァンだと感じ、エヴァンの元にかけつけようとした。
だがティファーがかけつけようとした時、エヴァンも着ぐるみをきたまま無言でティファーの元にかけよりそしてティファーに向かってうつむきながら、
「……姫、この様な姿でご無礼も承知ですが、一曲ご一緒によろしくお願いします」
と、エヴァンはティファーの前でスッとお辞儀をし、会場から仮面舞踏会が始まる曲が流れ出した。
会場の舞踏会用の曲が流れ出すと、みんなその曲にあわせてオブラートにダンスをし始めた。
だが、その曲にあわせて踊る中で、やはり異様な着ぐるみを着た恐竜のガオちゃんが気になって、ガオちゃんと姫は人々の注目の的になっていた。
そしてその着ぐるみを見ながら会場にいる人々は、次々とひそひそ話で二人を見て、
「あの着ぐるみじゃろくに動けないじゃない。
どうしてティファー王妃はあんな場知らずでどこの馬の骨かわからぬ者と一緒にダンスを踊るのか?
姫様自身も少し変わっているお方だと聞いておられるが、あれじゃあね……
せっかくの品性の顔だちのお方がもったいない……
直ちにあの怪しい者と離れて頂けなければ……」
会場の中の一人のジェントルマンが二人の元に向い二人を離そうとすると、急に激しく曲が流れ盛り上がり、ガオちゃんを着ているエヴァンはティファー王妃の体をぎゅっと掴み、この時曲に合わせてティファーの体をピュッと空高く舞いあげた。
フォンっ!
!
「……え?
何?何が起こったの?」
会場の皆が驚き、一瞬の出来事に人々が目を丸くし驚かされた。
そしてエヴァンは器用に着ぐるみを着ながらも曲に合わせてティファーの体を操り、優雅に二人はこの時ダンスを踊り続けた。
「え?え?え?何?
なんであんな着ぐるみで踊り続けれるの?
あきらかに動きづらい着ぐるみなのに……
……それにしても」
人々は二人の踊ってる姿を見て、楽しそうに二人の波長があってる所を見て、
「姫様うれしそう……もともと明るくお転婆で良い性格なのに、今日は特に楽しそうでなにより一番笑顔がいい。
あの者と踊っている輩は、それほどまで姫様に気に入られて楽しくさせる者なのか……
はて、あの者は一体?」
会場の皆が、次々と称賛の声に変わっていく……。
もともとエヴァンは親が亡くなる前に子供の時にピアノを習っていた。
そして音楽に対してはある程度の知識を持っていた。
彼自身そのピアノの知識をダンスにいかし、彼は頭の中で思い描いたシーンや決める所はしっかりとティファーとどのようにしてダンスを披露するのかこの時エヴァンは考えていた。
そしてレオが買い物を行ってる間も試行錯誤してずっとひたすらイメージトレーニングをし、彼女と一緒にいかにしてスムーズに踊れて楽しんでくれるのか考え抜いていたのだ。
そんな状況の中で着ぐるみを着ながらもうまくリードしてくれるエヴァンに向かってティファーは踊りながら心の中で、
「やっぱり来てくれたんだ、エヴァンさん……
最初はこのまま来てくれなくて二人でもう旅に出かけたんだと思い諦めていたけど、やっぱり私、エヴァンさんと出会って楽しい……
私、貴方とならずっと一緒に、エヴァンさんとなら……
…………
……だめ、だめよね。また先走ってしまったわ。
まだ返事も何も頂いてない……
彼はここに来ただけかもしれない。そして終わりがくればまた違う町に行くかもしれない。
ここが最終終着駅……
そんなことないよね……でも今、彼と一緒に踊って、本当に心の底からうれしいの。
ずっとずっとこのままこうしておきたい。
そしてこのままずっと永遠に時が止まっていたらいいな」
そうこうしているうちに曲は最終フィナーレを飾った。
皆の喝采をうける二人。
恐竜ガオちゃんが意外にもよく動きごく普通に自然に曲に合わせて踊れていた姿を見て、意外性を見た観衆の者たちは、思わず拍手をしていられずにはならなかった。
ティファーはその皆の者から拍手をうける中、静かに両手でガオちゃんの頭の部分の着ぐるみをそっと取った。
顔から汗を流しながら静かにティファーを見つめるエヴァン。
エヴァンはティファーの前で、そして観衆の前でこの時ティファーに向かって言わなくてはいけない言葉を言った。
そう、彼女へのプロポーズだった。
生まれて初めて好きになった相手だと……
そして自分自身の手で真剣に愛しあい、守りたい相手だと……
こんな自分で口下手な者だが、それでも一緒に彼女といたい……
そしてもしこんな自分でよければ、貴方と一緒に国を継がせて欲しい……
この時全部エヴァンはティファーに向けて不器用ながらも真剣に彼女に向けて言葉を言いはなった。
その言葉と彼の誠実な態度を見て、ティファーはエヴァンに向かって、
「これからもよろしくお願いします」
と、エヴァンに向かってティファーは観客の前で彼のプロポーズを受け取った。
この時カルベロッカの新しい王が誕生した。
そしてそのプロポーズを受け取った直後、カルベロッカの国民達は彼らの誕生を祝い祝賀のムードに酔いしれ、酒を飲み共に喜び分かち合い、夜遅くまで歓声をあげていた。
夜があけたその翌日、エヴァンはその怪しいアロハシャツを着たティファーの父親と、そしてその后母親の元にティファーと一緒に城に向い、その両親に向けて、
「娘さんを私に下さい。
大切に、幸せにします」
と、両親に向かってエヴァンは言葉を言い、二人の仲を認めてもらうようティファーの両親に向かってあいさつをしにいった。
そのエヴァンの態度を見て、言葉を聞いたティファーパパは嬉しそうに、
「Oh!
OK!エヴァン君!君なら大歓迎だよ!私は♪
私達の事はこれからも本当の家族だと思いたまえ♪
さあっ!大きいベッドは部屋に用意した♪
二人で好きにするがいい♪」
ルンル♪ルンルルーン♪
そう言い、ティファーパパとママは二人の寝室の部屋を案内し、空気を読むように部屋を出ていった。
二人きりになったエヴァンとティファーは恥ずかしそうにして顔を赤くし、エヴァンはティファーに向かって、
「……二人きりになりましたね、ティファーさん。
あの、その……なんと言うか、これからも末長くよろしくお願いします。
…………
」
エヴァンは顔を赤くし、二人横に並んでベッドを椅子がわりにして下を向いていると、いきなりティファーはエヴァンに向けてエヴァンの体を押し倒し、エヴァンはこの時、
「え?」
と、思わずティファーの大胆に出た行動にびっくりし、ティファーに向けて声を出した。
エヴァンはその行動に出たティファーに向かって、
「……あの、その、ティファーさん。
普通、逆じゃないですか……
男が女の子を押し倒して、その、まだ心の準備が……」
チュッチュッ、チュッチュッ(^3^)/
~( ; ゚Д゚)
「あ~っ!!」
エヴァンはこの時ティファーに押し倒されながら大量のキスをされ、ベッドの上でバンバン攻められた。
そしてその後、ティファーとエヴァンは流れにまかせて二人で熱々のベッドの上で男と女の激しいバトルが繰り返され、そのまま二人は汗だくになりなり、二人は戦いに疲れてそのまま乱れたベッドで二人仲良く寝た。
いっぽう、この時レオは、
「へっ、エヴァンの奴、いっちょまえにティファー王妃をゲットしやがって……
あいつももう、俺の手を離れやがったな……。
いい男だったのに……へっ!
ええ~い!今日は飲むぞ飲むぞ!俺は……
おっちゃん、じゃんじゃん、飲み物持って来い!
今日は一人立ちして俺の手から去っていったエヴァンに対してじゃんじゃん飲むぞ!俺は!
飲むぞ!飲むぞ!俺は~~」
「ら~!!!」
と、そう言い、レオは一人で大人のカウンターバーに似た店(喫茶店)に行き一人やかましくオレンジジュースをたくさん飲んでいた。
勿論ジュース代金はすべてエヴァン宛にいった。
この時レオが酒ではないが飲んだくれのようにジュースを飲んでると、その時のエヴァンとティファーはまた再度ベッドから目を覚まし、再び夜の2回戦の戦いがこの時また始まろうとしていた。
そこには多くの人が集まりカルベロッカの国民がパーティーで仮装している中、その中でティファーは一人ベランダの外でワインを飲みながら休憩していた。
そして夜空を見ながらティファーは一人ポツリ、
「……エヴァンさん、やっぱりここにはもう来ないかな~。
今ごろまたあの子と一緒に国境を越えて、また旅の続きでもしているかもね。
はぁ~、やっぱりちょっと気持ちが前かがみすぎて結構ひかれたかな~。
昔から私、そういうとこあるからさすがにデリケートにかけるかなんとか……嫌われてしまったかもね、フフフ……
さっ、終わった事はしかたがないし、いつまでもくよくよしていられないわ!
会場に戻ってこれから始まるメインの仮装舞踏会を楽しんでくるわよ!」
ティファーがそう意気ごみ会場に戻ろうとすると、なにやら会場内からガヤガヤと多くの人の声がざわつき始め、その回りには人だかりができていた。
そしてその人の声から、
「……あれは何?恐竜?いくら仮装舞踏会とはいえ、あんな着ぐるみ……
ちょっと場をあまりにも間違っているんじゃない。」
ヒソヒソヒソ……
ガヤガヤガヤ……
ティファーがその人たがりをまたいで通り抜けその場所まで行くと、その会場の所には二人の着ぐるみをきた緑の恐竜と、依然どこかの店で購入したコスプレの怪しい天使の姿のレオが会場の真ん中にいた。
そして天使の格好をしているレオは、なぜか雷様みたいに頭がチリチリだった。
どうしてこんな格好をしている二人組なのか……
そして何故レオの頭は雷様なのか……
そのいきさつの経緯はこんな感じである。
レオがエヴァンの元に帰ってきた時、夕暮れの日が暮れようとしたその時、レオの体は全身傷だらけで、そこら辺りに全身が殴られた跡があった。
エヴァンはそのレオの姿を見て、
「どうしたんですか?レオ!
一体誰にやられたんですかその傷は?
こんなに傷だらけになって……
一体何があったんですか?」
エヴァンはレオの異常な姿を見てレオに詰め寄り、レオに向かって問いただした。するとレオは心配しているエヴァンに向かって、
「……すいません、先生。
先生の服を買いにお店に向かったレオですが、その先生の衣装を買いに行く途中、頬にキズを入れた怖い兄ちゃん達(ヤクザ)に絡まれ、不覚にも先生のお金を取り上げられてしまいました。
誠に申し訳ございません……」
それを聞いたエヴァンは土下座しハァハァと息を切らし悲壮な顔をしているレオに向かって、
「えっ!そんな事があったんですか?レオ……
レオ、貴方……
………
お顔をあげ下さい……
すいません、レオ……
私が買い物をいかした事でこのような事件に巻き込まれてしまって、腑甲斐無い師で申し訳ない……」
その後、レオは顔をボコつられながらノコノコとエヴァンの元に帰った。
案の定そこの金髪の姉ちゃんの店はぼったくりで有名な店……
レオは見事エヴァンからもらった有り金全部その店から吸いとられた。
そして後から怖いイカツイ兄ちゃんが現れ、金をぼったくられてこの時レオの残金は0円になった。
欲から出た怖い経験……
この時レオは何歩か先に大人の怖い世界を経験した10歳のまだ幼い小学生のレオ……
目先にある欲から出た体験……
世の中そういい話はないとこの時レオは子供ながら身を持って感じた。
それはさておき、エヴァンの元に帰ってうそ泣きを演じる、10歳のレオ……
役者の芝居も華々で、ア●デミー賞をとれるぐらいエヴァンに向かって見事役を演じきっており、レオは迫真の演技をした。
そしてエヴァンはその泣いて演じきってるレオに向かってこの時見事騙されており、ただただ泣いているレオを見ては慰め、励ましひたすらレオに向かって謝り倒していた。
レオはそんなエヴァンを見てこの時なんとか金がなくなった事はチャラにできると感じ、顔をにやけ、話が流れると感じた。
そしてこのままいけると、尚且つエヴァンの体を抱き締めエヴァンの胸でひたすら嘘泣きを演じた。
レオはそんなエヴァンに向かって、
「先生(しぇんしぇい)……ごめん……」
「レオ……」
レオがエヴァンの元で大泣きをしひたすら下を向いて泣いていると、レオのポケットから一枚の写真がぴらっと出てきた。
エヴァンはとっさにその写真を手に取って、
「なんですか?これは……?」
と、無言でその謎の写真を見つめ、ただただじっと見つめた。
「…………」
「エヴァン先生、ごみぇん……」
レオがひたすらエヴァンの胸でうそ泣きをし泣いていると、エヴァンはこの時写真を手に持ち震えながら泣いているレオに向かって目線と写真を交互に向け見ていると、うそ泣きを演じてるレオに向かって下を向きながらボソッと、
「……パフパフ同好会。バッチぐぅ~(^_^)
…………
……何故私がこんな如何わしい店に写真にまんべんの笑顔でピースをしながら写っているのか……
何故私が金髪のイケイケのお姉さんに囲まれ喜び勇んでいるのか……
……レオ、貴方~!!!!!!!!!!!!!」
するとエヴァンの顔が怒りで赤くなり、ワナワナし震えていると、レオはレオのお店で写したマル秘のお気に入りの写真をエヴァンに見られてエヴァンがそれを見て怒り狂ってると、思わずその姿を見たレオは、
「あっ!」
と口に出した。
そしてその瞬間レオの頭にエヴァンの雷の魔法が炸裂した。
レオはこの時チリチリのイカツいパンチの効いた雷様の頭になった。
そしてそれはまるでエヴァンの呪いがかかったようにずっと髪型が治らなかった。
そのまま会場に来た二人にレオは、元々持っていた天使様恋のキューピットセットのコスプレを来て会場に、そしてかたやエヴァンは、閉店間際の半額の叩き上げセールの売れ残りの恐竜ガオちゃんの着ぐるみを購入し急いで走ってこの会場に来た。
変ないきさつを辿った二人だが、なんとか仮面舞踏会に間に合った二人。
ティファーはそのレオのチリチリ頭を見てすぐに隣に着ぐるみを来ている者をエヴァンだと感じ、エヴァンの元にかけつけようとした。
だがティファーがかけつけようとした時、エヴァンも着ぐるみをきたまま無言でティファーの元にかけよりそしてティファーに向かってうつむきながら、
「……姫、この様な姿でご無礼も承知ですが、一曲ご一緒によろしくお願いします」
と、エヴァンはティファーの前でスッとお辞儀をし、会場から仮面舞踏会が始まる曲が流れ出した。
会場の舞踏会用の曲が流れ出すと、みんなその曲にあわせてオブラートにダンスをし始めた。
だが、その曲にあわせて踊る中で、やはり異様な着ぐるみを着た恐竜のガオちゃんが気になって、ガオちゃんと姫は人々の注目の的になっていた。
そしてその着ぐるみを見ながら会場にいる人々は、次々とひそひそ話で二人を見て、
「あの着ぐるみじゃろくに動けないじゃない。
どうしてティファー王妃はあんな場知らずでどこの馬の骨かわからぬ者と一緒にダンスを踊るのか?
姫様自身も少し変わっているお方だと聞いておられるが、あれじゃあね……
せっかくの品性の顔だちのお方がもったいない……
直ちにあの怪しい者と離れて頂けなければ……」
会場の中の一人のジェントルマンが二人の元に向い二人を離そうとすると、急に激しく曲が流れ盛り上がり、ガオちゃんを着ているエヴァンはティファー王妃の体をぎゅっと掴み、この時曲に合わせてティファーの体をピュッと空高く舞いあげた。
フォンっ!
!
「……え?
何?何が起こったの?」
会場の皆が驚き、一瞬の出来事に人々が目を丸くし驚かされた。
そしてエヴァンは器用に着ぐるみを着ながらも曲に合わせてティファーの体を操り、優雅に二人はこの時ダンスを踊り続けた。
「え?え?え?何?
なんであんな着ぐるみで踊り続けれるの?
あきらかに動きづらい着ぐるみなのに……
……それにしても」
人々は二人の踊ってる姿を見て、楽しそうに二人の波長があってる所を見て、
「姫様うれしそう……もともと明るくお転婆で良い性格なのに、今日は特に楽しそうでなにより一番笑顔がいい。
あの者と踊っている輩は、それほどまで姫様に気に入られて楽しくさせる者なのか……
はて、あの者は一体?」
会場の皆が、次々と称賛の声に変わっていく……。
もともとエヴァンは親が亡くなる前に子供の時にピアノを習っていた。
そして音楽に対してはある程度の知識を持っていた。
彼自身そのピアノの知識をダンスにいかし、彼は頭の中で思い描いたシーンや決める所はしっかりとティファーとどのようにしてダンスを披露するのかこの時エヴァンは考えていた。
そしてレオが買い物を行ってる間も試行錯誤してずっとひたすらイメージトレーニングをし、彼女と一緒にいかにしてスムーズに踊れて楽しんでくれるのか考え抜いていたのだ。
そんな状況の中で着ぐるみを着ながらもうまくリードしてくれるエヴァンに向かってティファーは踊りながら心の中で、
「やっぱり来てくれたんだ、エヴァンさん……
最初はこのまま来てくれなくて二人でもう旅に出かけたんだと思い諦めていたけど、やっぱり私、エヴァンさんと出会って楽しい……
私、貴方とならずっと一緒に、エヴァンさんとなら……
…………
……だめ、だめよね。また先走ってしまったわ。
まだ返事も何も頂いてない……
彼はここに来ただけかもしれない。そして終わりがくればまた違う町に行くかもしれない。
ここが最終終着駅……
そんなことないよね……でも今、彼と一緒に踊って、本当に心の底からうれしいの。
ずっとずっとこのままこうしておきたい。
そしてこのままずっと永遠に時が止まっていたらいいな」
そうこうしているうちに曲は最終フィナーレを飾った。
皆の喝采をうける二人。
恐竜ガオちゃんが意外にもよく動きごく普通に自然に曲に合わせて踊れていた姿を見て、意外性を見た観衆の者たちは、思わず拍手をしていられずにはならなかった。
ティファーはその皆の者から拍手をうける中、静かに両手でガオちゃんの頭の部分の着ぐるみをそっと取った。
顔から汗を流しながら静かにティファーを見つめるエヴァン。
エヴァンはティファーの前で、そして観衆の前でこの時ティファーに向かって言わなくてはいけない言葉を言った。
そう、彼女へのプロポーズだった。
生まれて初めて好きになった相手だと……
そして自分自身の手で真剣に愛しあい、守りたい相手だと……
こんな自分で口下手な者だが、それでも一緒に彼女といたい……
そしてもしこんな自分でよければ、貴方と一緒に国を継がせて欲しい……
この時全部エヴァンはティファーに向けて不器用ながらも真剣に彼女に向けて言葉を言いはなった。
その言葉と彼の誠実な態度を見て、ティファーはエヴァンに向かって、
「これからもよろしくお願いします」
と、エヴァンに向かってティファーは観客の前で彼のプロポーズを受け取った。
この時カルベロッカの新しい王が誕生した。
そしてそのプロポーズを受け取った直後、カルベロッカの国民達は彼らの誕生を祝い祝賀のムードに酔いしれ、酒を飲み共に喜び分かち合い、夜遅くまで歓声をあげていた。
夜があけたその翌日、エヴァンはその怪しいアロハシャツを着たティファーの父親と、そしてその后母親の元にティファーと一緒に城に向い、その両親に向けて、
「娘さんを私に下さい。
大切に、幸せにします」
と、両親に向かってエヴァンは言葉を言い、二人の仲を認めてもらうようティファーの両親に向かってあいさつをしにいった。
そのエヴァンの態度を見て、言葉を聞いたティファーパパは嬉しそうに、
「Oh!
OK!エヴァン君!君なら大歓迎だよ!私は♪
私達の事はこれからも本当の家族だと思いたまえ♪
さあっ!大きいベッドは部屋に用意した♪
二人で好きにするがいい♪」
ルンル♪ルンルルーン♪
そう言い、ティファーパパとママは二人の寝室の部屋を案内し、空気を読むように部屋を出ていった。
二人きりになったエヴァンとティファーは恥ずかしそうにして顔を赤くし、エヴァンはティファーに向かって、
「……二人きりになりましたね、ティファーさん。
あの、その……なんと言うか、これからも末長くよろしくお願いします。
…………
」
エヴァンは顔を赤くし、二人横に並んでベッドを椅子がわりにして下を向いていると、いきなりティファーはエヴァンに向けてエヴァンの体を押し倒し、エヴァンはこの時、
「え?」
と、思わずティファーの大胆に出た行動にびっくりし、ティファーに向けて声を出した。
エヴァンはその行動に出たティファーに向かって、
「……あの、その、ティファーさん。
普通、逆じゃないですか……
男が女の子を押し倒して、その、まだ心の準備が……」
チュッチュッ、チュッチュッ(^3^)/
~( ; ゚Д゚)
「あ~っ!!」
エヴァンはこの時ティファーに押し倒されながら大量のキスをされ、ベッドの上でバンバン攻められた。
そしてその後、ティファーとエヴァンは流れにまかせて二人で熱々のベッドの上で男と女の激しいバトルが繰り返され、そのまま二人は汗だくになりなり、二人は戦いに疲れてそのまま乱れたベッドで二人仲良く寝た。
いっぽう、この時レオは、
「へっ、エヴァンの奴、いっちょまえにティファー王妃をゲットしやがって……
あいつももう、俺の手を離れやがったな……。
いい男だったのに……へっ!
ええ~い!今日は飲むぞ飲むぞ!俺は……
おっちゃん、じゃんじゃん、飲み物持って来い!
今日は一人立ちして俺の手から去っていったエヴァンに対してじゃんじゃん飲むぞ!俺は!
飲むぞ!飲むぞ!俺は~~」
「ら~!!!」
と、そう言い、レオは一人で大人のカウンターバーに似た店(喫茶店)に行き一人やかましくオレンジジュースをたくさん飲んでいた。
勿論ジュース代金はすべてエヴァン宛にいった。
この時レオが酒ではないが飲んだくれのようにジュースを飲んでると、その時のエヴァンとティファーはまた再度ベッドから目を覚まし、再び夜の2回戦の戦いがこの時また始まろうとしていた。