FX Ghost
文字数 493文字
真夜中に中央線の線路脇を非正規社員の石田三成は歩いていた。
2018/08/26 06:32
呼び止められたので、振り向いたら血だらけの男が足を引きずっていた。
2018/08/26 06:35
しまった。不味いことに気づかれたと思ったが、すでに遅かった。
2018/08/26 06:38
三成は残念そうに答えた。
2018/08/26 06:41
男はぽつぽつと身の上話を始めた。
2018/08/26 06:42
ため息の後に、沈黙が流れた。
2018/08/26 06:43
三成は背中のリュックから水筒を取り出して、お茶をコップに注いでそっと差し出した。
2018/08/26 06:44
男は美味しそうに一気に飲み干すと、何ともいい笑顔になった。
不思議なことに、男の姿はゆっくりと霞んでいった。
三成はそっと瞑目して手を合わせた。
2018/08/26 06:48