文字数 2,795文字



水月ちゃんの大好きなお姉さん、『上島咲来』さんだ!
「ええっ! ちょ………どうして、咲来ちゃんがここに?」
水月ちゃんはそうとうおどろいているようで、口をパクパクさせている。
「うちが呼んでん! ああ、はじめて会ったときに、連絡先聞いといてよかった~!」
なんて伊月ちゃんが言ってるけど、私たちはまだ混乱状態。
でも、咲来さんと伊月ちゃんは、「イエーイ」「大成功~」なんて言って、ハイタッチまでしている。
「夕月ちゃんたちの、お知り合い?」
杏ちゃんにたずねられて、ぎくり。
実は咲来さん、水月ちゃんが里子のときのお姉さんなんだよ。
水月ちゃんが不良になっちゃって。
だけど、咲来さんになだめられて、不良から立ち直れることができた。
だから、咲来さんにはとっても感謝しているって聞いてる。
そんな『大好きなお姉さん』と、今会えるなんて。
「う、うん。咲来さんっていって、水月ちゃんにバスケを教えてくれた人なの」
「なるほどね~。じゃあ、水月ちゃんの師匠ってことなのね!」
杏ちゃんがそんなことを言うから、
「はじめまして。師匠!」
って、アミちゃんはさっそく言っている。
「おう、水月の師匠の、咲来だよ!」
咲来さんも咲来さんで、ノリがいいなぁ。
水月ちゃんは、嬉しそうに咲来さんのほうを見て、ニコニコしている。
きっと、大好きなお姉さんと会えて、嬉しいんだよね。
私と伊月ちゃんは、顔を見合わせて、にっこりと笑った。
佳月ちゃんはというと――――。
「……………」
さっきからずっと、無言だ。
姉妹以外の人がたくさん集まっているから、緊張しているのかも。
「じゃあやろうか。まずは準備体操から!」
「はーい」
みんなで大きくえんになって、準備体操を始める。
私はきゅっと気合を引き締めた。

準備体操が終わったあと、パン、と咲来さんが手を叩いた。
「さ。まずは基本練習から。体力とか考えると、いちばん都合よくできるのは、シュート練習かな。シュート練のみ! どんどんやるよ。時間ないからね」
「はーいっ!」
みんな、『やる気満々!』って感じで、目が燃えている。
「うーん、だめだなぁ、入らない」
独り言みたいに言うと、近くにいた水月ちゃんが、私に近寄って言ってくれた。
「夕月、もう一回やってみて」
「うん」
ボールを、ゴールにめがけて思いっきり投げる。けど………。
―――ガンッ
にぶい音がして、ボールはリングにぶつかり、 そのまま跳ね返って戻ってきちゃった。
「あ~…………」
大きなため息をつきながら、ボールを拾った。
「夕月。もっと、ふわっと高くボールを上げてみて。円を書くように」
「わかった! やってみる!」
私は指示通り、ボールを高くふわっと投げてみた。
すると…………。
―――シュッ
! ボールが、きれいにネットをくぐった。
やった! ゴールに入ったよ!
「ナイスシュート、夕月!」
って、水月ちゃんにほめられちゃった!
「えへへ」
嬉しくて、頭をぽりぽり。
そのとき、通りかかった咲来さんが、パチパチ、と拍手をした。
「いいね! その調子。次は、もう一歩、後ろに下がってごらん。それから、
シュートが入ったら、また一歩………ってやってみると、遠くから打っても入れるようになるよ!」
「はいっ!」
私は元気よく返事をすると、もう一回打ってみた。
あちこちから、「やった~」「入ったよ~!」「『上島咲来』さんだ!
「ええっ! ちょ………どうして、咲来ちゃんがここに?」
水月ちゃんはそうとうおどろいているようで、口をパクパクさせている。
「うちが呼んでん! ああ、はじめて会ったときに、連絡先聞いといてよかった~!」
なんて伊月ちゃんが言ってるけど、私たちはまだ混乱状態。
でも、咲来さんと伊月ちゃんは、「イエーイ」「大成功~」なんて言って、ハイタッチまでしている。
「夕月ちゃんたちの、お知り合い?」
杏ちゃんにたずねられて、ぎくり。
実は咲来さん、水月ちゃんが里子のときのお姉さんなんだよ。
水月ちゃんが不良になっちゃって。
だけど、咲来さんになだめられて、不良から立ち直れることができた。
だから、咲来さんにはとっても感謝しているって聞いてる。
そんな『大好きなお姉さん』と、今会えるなんて。
「う、うん。咲来さんっていって、水月ちゃんにバスケを教えてくれた人なの」
「なるほどね~。じゃあ、水月ちゃんの師匠ってことなのね!」
杏ちゃんがそんなことを言うから、
「はじめまして。師匠!」
って、アミちゃんはさっそく言っている。
「おう、水月の師匠の、咲来だよ!」
咲来さんも咲来さんで、ノリがいいなぁ。
水月ちゃんは、嬉しそうに咲来さんのほうを見て、ニコニコしている。
きっと、大好きなお姉さんと会えて、嬉しいんだよね。
見ていると、こっちまでニコニコしちゃうよ~。
伊月ちゃんも同じみたいで、懐かしそうな感じで微笑んでいる。
佳月ちゃんはというと――――。
「……………」
さっきからずっと、無言だ。
姉妹以外の人がたくさん集まっているから、緊張しているのかも。
「じゃあやろうか。まずは準備体操から!」
「はーい」
みんなで大きくえんになって、準備体操を始める。
私はきゅっと気合を引き締めた。

準備体操が終わったあと、パン、と咲来さんが手を叩いた。
「さ。まずは基本練習から。体力とか考えると、いちばん都合よくできるのは、シュート練習かな。シュート練のみ! どんどんやるよ。時間ないからね」
「はーいっ!」
みんな、『やる気満々!』って感じで、目が燃えている。
「うーん、だめだなぁ、入らない」
独り言みたいに言うと、近くにいた水月ちゃんが、私に近寄って言ってくれた。
「夕月、もう一回やってみて」
「うん」
ボールを、ゴールにめがけて思いっきり投げる。けど………。
―――ガンッ
にぶい音がして、ボールはリングにぶつかり、 そのまま跳ね返って戻ってきちゃった。
「あ~…………」
大きなため息をつきながら、ボールを拾った。
「夕月。もっと、ふわっと高くボールを上げてみて。円を書くように」
「わかった! やってみる!」
私は指示通り、ボールを高くふわっと投げてみた。
すると…………。
―――シュッ
! ボールが、きれいにネットをくぐった。
やった! ゴールに入ったよ!
「ナイスシュート、夕月!」
って、水月ちゃんにほめられちゃった!
「えへへ」
嬉しくて、頭をぽりぽり。
そのとき、通りかかった咲来さんが、パチパチ、と拍手をした。
「いいね! その調子。次は、もう一歩、後ろに下がってごらん。それから、
シュートが入ったら、また一歩………ってやってみると、遠くから打っても入れるようになるよ!」
「はいっ!」
私は元気よく返事をすると、水月ちゃんは目を細めて笑っていた。
咲来さんがいるから、かな。とっても嬉しそうに見える。
見ていると、こっちまで嬉しくなっちゃう。
あちこちから、「やった~」「入ったよ~!」「あ~っ」―――
なんて声が聞こえてくる。
私も! と思って、何度も何度もシュートを繰り返した。






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