第3話 「ハッタツ」と呼ばれる奈田名エル(なたな える)

文字数 6,592文字

せっかく皆が英語の曲を歌いたい気持ちになったのに。志門はイラっとした。
何から始めようかと盛り上がってきたのに、奈田名エルが叫んだせいで台無しだ。
「面白いことするっていってたくせに、結局勉強かよ!つまんねー!」
奈田名エルが大声でわめく。
じゃあ帰れよと、おそらく教室にいた全員が思ったのではないだろうか。
頼むから口に出すなよと、志門はヤコブを見た。

・・・
奈田名エルは『ハッタツ』と呼ばれていた。発達障害の略だと本人も分かっている。
授業中も校長先生が話している時もじっとしていられなかったり、自分が知っている
話題だとつい一人で喋りつづけてしまう。周りから「空気が読めない」と言われる。
そんな性格が発達障害の特性と似ているらしい。奈田名エルは病院に行ってお医者さん
診てもらったわけじゃないけれど、自分もそうではないかと思っている。
奈田名エルの家族も、彼の名前を呼ぶよりも「ちゃんとしなさい」「皆と同じように
しなさい」「じっとしなさい」「雑に扱わないで」「ダメでしょ」と呼ぶ。

彼は自分が人と違うと知っている。
ハッタツ、と言われて仕方がないという気持ちになることもある。奈田名エルはそんな
つもりはなかったのだけれど、「奈田名エルに意地悪なことを言われた/された」と、
先生に告げ口されて、親が学校に呼び出されたことも何回もあった。
私立中学に進んだ今も、時々ある。

奈田名エルにも言い分はある。
意地悪をするつもりなんてないし、誰かを傷つけたいなんて思っていない。
でも、一生懸命やっているのに「ちゃんとして」「真面目にやってよ」と何度も
注意されると、どうしたらいいのかわからなくなってしまう。口で言うのが下手
だから、つい考える前に手が出てしまう。大声で叫びたくなってしまう。

奈田名エルは誰かから『ハッタツ』と呼ばれると、自分の身体を刃物で切られた
ような痛みが走る。大げさじゃない、本当に痛いのだ。身体を切られたらじっとして
いられる人間はいない。絶対に大声を出して、暴れ回るだろう。
だから、彼は『ハッタツ』と言われると、自分の心と身体を守るために暴れる。
痛くて息ができなくなるっていう、奈田名エルの気持ちは誰も知らない。
彼の家族だって気づいていないだろう。
「どうして暴れるの?」と彼に聞いてくれた人がいないから。

・・・

「ボロボロの、ナザレ団地に住んでるくせに、吉屋かっこつけんじゃねーよ」
奈田名エルがもう一度叫んだ。
「英語使えるふりなんかしてさ、自分だけできる人間ぶっちゃって。
俺たちにできるわけないだろ、俺たちが失敗して、惨めな気持ちになるように
したいんだろ。バカなガリ学の生徒が英語ペラペラになるわけねーじゃん」
奈田名エルはわめく。喉の奥から叫ぶ。うるさくて、志門は耳をふさいだ。
ヤコブとヨハネ、安渡礼も耳をふさいだ。でも、吉屋は耳をふさがなかった。

「どうせ…どうせ、『ハッタツ』の俺なんかにできるわけないって思ってる
くせに!放っておいてくれよ、俺となんの関係もねーよ」
奈田名エルは叫ぶ。吉屋は、奈田名エルに近づいて言った。
「関係あるよ」
「俺、奈田名エルが苦しいの我慢しながら授業受けてるの気づいてたんだ。
俺、ずっと何とかできないかなって思ってた。
奈田名エルがパニックを起こしたり苦しくならない授業ってどんなのだろうって
想像してた。奈田名エルのこと、誰にも『ハッタツ』なんて呼ばせたくないんだ。
最初から完璧にするのは無理だろうし、たぶん失敗もあるとおもうけどさ、
俺できると思うんだ。歌の力ってすごいんだぜ?
自分の気持ちを伝えやすくなるし、自分の気持ちにピッタリの曲に出会うと
目の前が輝いて見えてさ、最高なんだ。
まずは、放課後、俺たちでやってみないか?」
吉屋がゆっくり、落ち着いた声で話す。

先程まで大声でわめいていた奈田名エルの声に、嗚咽が混じる。普段なら、
奈田名エルが大声でわめき始めたら、先生を呼びにいかないと収まらないのに。
あの奈田名エルが、怒りを爆発させた後でも人の話を聞いているなんて。
目の前の光景が信じられず、志門も他の皆も声をかけることができなかった。

「俺、先生の授業についていけないし。英語なんか読めるわけないし。
高津法子にいっつも馬鹿にされてるのに、勉強なんか無理だよ」
奈田名エルが弱音をはいた。

だよなー、高津法子ってきっついよな、と吉屋が言った。
俺おもうんだけど、とさらに続ける。
「英語の歌詞って、普段なら言えないような思いを伝えられるんだよな。
心が鎖で縛られているような人を解放させる力があるんだよ。
今日、奈田名エルの本音はじめてきいた。やっぱり歌ってすごいや」

奈田名エルはシクシク泣き出した。
「吉屋、すげぇ。どうなってんだよ」
「吉屋すごい。手のつけられない奈田名エルが大人しくなった」
驚きのつぶやきがあちこちから聞こえた。

・・・

放課後、吉屋たちと過ごすようになって一か月たった。
奈田名エルも機嫌の良い時と悪い時があるが、毎日きている。
志門は奈田名エルと喋るようになって、苦手意識が薄れてきたと感じる。
もちろん、今日も奈田名エルは授業中かんしゃくを起こしたし、
物に八つ当たりする奈田名エルは嫌だなと思う。でも、奈田名エルの本音
を聞く機会が増えたせいか、彼は悪い奴じゃないと分かってきた。
いつだったか、なぜガリ学を受験したの?と誰かが奈田名エルに聞いた。
「『同じ公立中学に来たら最悪。いなくなってほしい』と言われたから」
と奈田名エルは答えた。
それを聞いて、志門は目の奥がキューっと熱くなった。
放課後のこの時間を、奈田名エルが心から笑っていられる場所にしようと
決意した。

だから、この2週間ほど、奈田名エルのために同じ曲を歌い続けていることも
苦ではなかった。奈田名エルが「何を歌っているのか知りたい曲がある」と
言い出したのだ。曲名を覚えていなかったから、奈田名エルの鼻歌だけで
曲名を探し当てることができた時は「よっしゃあ!」と皆で叫んだ。

奈田名エルが歌いたがったのは、Bon Jovi(ボンジョビ)の「It's My Life」
だった。有名なお笑い芸人がこの曲を使ってパフォーマンスをしている
らしい。歌詞カードを読んで、奈田名エルにぴったりだと吉屋は言った。
「これ、歌えるようになったら、奈田名エルが言いたいことや考えている
ことが伝わると思う」と、吉屋が励ましたので奈田名エルもやる気になっている。

しかし、奈田名エルが英語の歌詞を覚えるのは思った以上に苦戦した。
志門やヤコブ、ヨハネの場合、何度も曲を聞いて、単語のどこを強調すればいいか
感覚をつかんでいった。1年後輩の安渡礼も、歌詞をうつし、単語の上にカタカナで
聞こえたように読み方とアクセントを書き込み、練習して歌えるようになった。
他の人も、同じようにコツをつかんでいった。
でも、奈田名エルはそれができない。
安渡礼が読み方とアクセントを書き込んでも、全てを強調させて読もうとするから
曲の流れから遅れていく。奈田名エルは何度もかんしゃくを起こした。

「歌える場所っていうか、奈田名エルに見せ場を作ってみたらどうかな」
ここだけは言えるっていう単語を、奈田名エルに担当してもらうんだ。
吉屋が提案した。

奈田名エルが曲の流れに遅れることなく発することができる単語を探した。
「It's My Life」、「never」、「forever」、「alive」、「highway」。
この5つだった。
文章の最後に出てくる単語だし、奈田名エルが分かりやすいように単語の前で
大げさなくらい息継ぎをして、奈田名エルが発言できるように工夫をした。

奈田名エルが一度もかんしゃくを起こさず、初めて「It's My Life」を歌い切った
時、何かの世界記録を達成したかのような感動があった。奈田名エルは大声で
「俺、歌えた!俺、英語の歌うたえた!」とジャンプして叫んだ。
中2男子の喜び方じゃねぇよ、とヤコブは言ったが、彼も歌い切った瞬間
「おっしゃあ!」とガッツポーズをしていた。

それから毎日夕方まで、「It's My Life」を歌い続けた。
この歌は「It's My Life」というタイトル通り「これが、おれの、生き方だ !」
と宣言する歌詞だ。「俺は、俺の、人生を生きてやる」、そんな決意あふれる
歌詞に皆が励まされた。机と手をたたいてリズムをとり、声がかすれるまで
歌った。

・・・

6月に入るとガリラヤ学院中等部では授業参観が行われる。去年の授業参観は、
「この範囲、とっくにファリ佐井ゼミで習ったし」という態度の高津法子が
奈田名エルにちょっかいをだし、彼がかんしゃくを起こすというひどい有様だった。
授業参観に来ていた志門のお母さんは「ちゃんと授業が成立しているの?」と
心配してしまい、厳しいことで有名な進学塾ファリ佐井ゼミナールに入れられそう
になった。授業だけでもヘトヘトなのにさらに塾になんて行きたくない、大丈夫
と説得するのに苦労したのだ。今年は、何事もなくすごしてほしいと志門は願う。

去年に比べれば、奈田名エルの授業態度はかなり改善されたはずだ。
志門や吉屋など一緒に放課後すごしているメンバーで、奈田名エルのフォローを
している。授業の進み具合についていっていないなと気づいたら、今何をしている
のかこっそり伝えている。具体的にやることを伝えたり、先生の授業の流れを先に
頭に入れておけば、かんしゃくを起こす頻度は少なくなる。
志門が授業ノートの端に「この授業のルール」とメモを書いてあげたところ、
奈田名エルが指でなぞりながら授業を受けていて、素直なやつだなと思った。
放課後に思いきり声を出して歌っているからか、エネルギーをもてあましている
様子もない。怒りを爆発させることは少なくなった。
大丈夫、今年はいける。どうか、奈田名エルが怒りを爆発させませんように。
授業参観の前夜、志門は布団の中で祈った。

・・・

授業参観の教科は英語だった。
志門のお母さんは見に来た。ヤコブとヨハネのお母さんにも廊下で会った。
去年よりも保護者の数が多いような気がする。去年のめちゃくちゃな授業参観の
話を聞いて心配している保護者が多いのだろう。
奈田名エルの家族は来ていなかった。
「俺がまた授業ブチ切れて暴れると思ってんだろうな」とつぶやく。
吉屋の保護者も来ていなかった。何となく、本人に聞きづらかった。でも、
「吉屋んちは、ほら、お母さんも色々大変だろうし」と誰かが言っていた。

授業が始まると、高津法子が奈田名エルにつっかかっていく。
最初は、奈田名エルが何故か理科の教科書を開いていたことを指摘した。
「先生ぇー!奈田名さんがー、授業に関係のないものを見ていまーす」
「奈田名さんの机の上が『今日も』ぐちゃぐちゃでーす」
奈田名エルの集中力がそがれてく。志門がフォローをしようとすると、
今度は「先生ぇー!志門さんがー、お喋りしていまーす」と高津法子に
指摘された。
「集中しなさい」と先生に怒られ、目をつけられてしまった。最悪だ。
奈田名エルなんかに関わったから、恥をかいた。志門のお母さんも、
自分の息子が怒られるところなんか見て、恥ずかしい思いをしたはずだ。
奈田名エルのことを無視してたら、こんな思いしなくてすんだのに。
心の中でつい、奈田名エルのことを悪く考えてしまう。
奈田名エルは身体を揺らしながら、かんしゃくを起こさないようにして
いるのか、小声で何か言っている。

「先生ぇー!奈田名エルさんの方から、カビっぽいにおいがしまーす」
「また、前みたいに机の中からカビたパンが出てくるかもしれません」
「奈田名エルさんの机の中を、皆で確認した方がいいかもしれませーん」

高津法子がとんでもないことを言い出す。
後ろに並ぶ保護者の方から、クスクス笑いが起こった。
奈田名エルが爆発する、やばい。志門は焦った。
奈田名エルは、まだ何か小声で言っている。
「イッツ・マイ・ライッ…イッツ・マイ・ライッ…」
もしかして、「It's My Life」を歌おうとしている……?ここで?マヂ?
志門は戸惑った。

「高津さん、いい加減にしなさい」先生がイライラした声で言った。
「えー、なんでですか?授業参観ですよね?普段のわたしたちを見て
もらうべきじゃないんですかー?」
「奈田名エルさんの普段の様子も、ぜひ見てもらった方がいいと
思う人ー?」高津法子が煽るように言う。高津法子とつるんでいる
女子グループの猛瀬(もうせ)、五所(ごしょ)、申命(しんめい)が
「はーい」と馬鹿にしたような声をだした。

ダン! 奈田名エルが机をたたいた。
ダン!ダン!「イッツッ!マイッ!ラアアアアアイ!」奈田名エルが叫ぶ。
一瞬、教室がシン……とした。

ダン!ダン!
別の場所から、机をたたく音が響いた。吉屋だった。
吉屋は机と手をたたきリズムをとる。そして、英語で歌いだした。
吉屋の歌声には、特別な響きがある。
歌っている吉屋に見つめられると、(こんな言い方恥ずかしいが)
吉屋に歌で愛を注入されているような気持ちになって、勇気がでる。

ダン!ダン!
俺も、奈田名エルを応援する。そんな気持ちで志門も机をたたいた。
ダン!ダン!
放課後メンバーも続いた。
誰も吉屋を止めなかった。高津法子はあっけにとられている。
吉屋は奈田名エルと目を合わせ、合図を送り合う。

「「イッツッ!マイッ!ラアアアアアイ!」」吉屋と奈田名エルが叫ぶ。
俺は量産型になりたくねぇ、これが俺の人生、俺の心からの叫びだ、
It's My Life、これが俺の生き方なんだ。
Bon Joviの歌詞が、奈田名エルの心からの叫びに共鳴している。
自分をうまく表現できなかった奈田名エルの背中を押している。
1番を歌い切り、吉屋は言った。
「奈田名さんは、今この瞬間を生きています。どうぞ授業を続けてください」

・・・

吉屋の起こした奇跡。後にそう言われるエピソードだ。
ガリラヤ学院中等部2年A組で起こった小さな出来事のはずだったが、
この話はガリラヤ学院全体に広がった。

志門のお母さんは「英語の授業中にライブみたいなのが始まったの」と
志門の父親に報告した。
Bon Joviの「It's My Life」を歌っていたと気づいた保護者も多かった。
歌声を聞いて、自分の子どものクラスを抜け出し、こっそり聞いて
いた保護者もいたという。ヤコブとヨハネの母親もその一人だ。
「奈田名エルくん、ぴったりの歌を歌って、かっこいいじゃないか」
と保護者の間で彼の評価が上がったらしい。
そういわれても、同じクラスの生徒は洋楽のことが分からなくて戸惑った。

奈田名エルの母親は、授業参観後に学校か保護者から電話が来てまた苦情を
言われるのではないかと恐れていた。
しかし、仲の良い保護者が興奮してかけてきた電話の内容に困惑した。
「奈田名エルくん、授業で英語の曲をアカペラで歌ったのよ。すごいじゃない。
エルくん、英語が得意だったのね。うちの子にも教えてやってほしいくらい」
初めて息子が褒められた。すごいといわれて話題になった。
母親は嬉しくて、帰宅した奈田名エルを玄関でだきしめたらしい。
翌日、「やんなっちゃうよなー」と言いながら報告した彼の顔は笑顔だった。

「ガリ学の中2が、授業中に突然、洋楽を歌いだしたんだって」
「ガリ学?そんなことできるの?」
「なんか、生徒が何人も机とか叩いて歌いだして、迫力あったらしいよ」
「うちは、不良が洋楽を聞いて大人しくなったって聞いた」
「わたしは、発達障害の子が放課後に特別講義を受けて英語ペラペラに
喋れるようになったって聞いたよ」
「えー!どんな授業をしてるんだろ、英語ができたら便利よね。
うちの子もその特別講義をうけられないかしら?」
「なんでも、学校は直接かかわっていない、生徒が自主的にやっている
勉強会なんですって。選ばれた人しか入れないの」
「すごいわね。その歌った子?特別講義を始めた生徒は英語部?」
「いや、帰宅部らしい」
「どういうこと?ファリ佐井ゼミに通ってるとか?帰国子女?」
「いや、なんかねー、ナザレ団地の子だって」
「えー!ナザレ団地の子がなんで洋楽歌えるのよ」
「わかんないけどさ、そういう話なのよ」
そんな噂話がささやかれた。
こうして、ガリ学の吉屋の名前は学院中に広がった。
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登場人物紹介

吉屋(よしや) 

【中高一貫私立ガリラヤ学院中等部2年A組、14歳】

・ナザレ団地に母親、新しいお父さん、幼い6人の弟妹と住んでいる。

・高等部英語科非常勤講師の深井恵(ふかい めぐみ)先生と出会い、洋楽を聞くようになる。

・深井先生が学校を去り、自分で仲間を集め洋楽を聞くグループを作ろうと決心する。

・好きな歌手はQueeN

志門巌(しもん いわお)

【中高一貫私立ガリラヤ学院中等部2年A組、14歳】

・実の母親とは死別。7歳の時に父が再婚、義母ができる。

・スーパーマーケットの水産部門で働く父親と、父が再婚した母と3人暮らし。

・成績は中の下。

・天然パーマ、糸目、ごつい顔がコンプレックス。強そうに見えるが、喧嘩は強くない。

安渡 礼(あんど れい)

【中高一貫私立ガリラヤ学院中等部1年A組、12歳】

・志門の家の近所に住む従弟。幼いころから志門を兄のように慕っている。

・志門と同じく、おさかな係をしている。

・高等部に兄や姉のいる同級生とも仲が良く、情報通。

高津法子(たかつ のりこ)

【中高一貫私立ガリラヤ学院中等部2年A組、14歳】

・有名進学塾「ファリ佐井ゼミナール」に通っている。

・学習塾に通っていないクラスメイトを見下している。

・同じクラスの女子である猛瀬(もうせ)、五所(ごしょ)、申命(しんめい)を引き連れ、

 たびたび吉屋につっかかる。

・成績は上位、クラスの中心人物。

奈田名エル(なたな える)

【中高一貫私立ガリラヤ学院中等部2年A組、14歳】

・思いついたことは気になったことをよく考えずに口に出してしまうため、トラブルが多い

・「ちゃんとしなさい」と学校でも両親にも言われるが、自分の気持ちを上手く伝えられない

・イライラが爆発してしまうことも多い

・吉屋と「ガリラヤの風」を作ってから、自分のできることを探すようになる

佐渡 開(さど かい)

【私立ガリラヤ学院中等部2年A組担任/社会科教諭、32歳】

・ガリラヤ学院に赴任して日が浅い。生徒に軽く見られている。

湯田(ゆだ)

【王手の伊須狩高等学校2年A組、16歳】

・理数系に力を入れている、偏差値の高い高校に通っている。

・レンタルCDショップで吉屋と出会う。洋楽ではニルヴァーナが好き。

・両親は高学歴で教育熱心、湯田は一人っ子。エリート校で成績上位を保つため、ストレスを抱えている。

・先輩がホームレス狩りをしていることを知り「正義の掃除屋なんだ」と言われ関わってしまう。

・路上生活を送っている老人を殺してしまったかもしれない、誰か身代わりをたてたいと言われて、

 とっさに「ガリラヤ学院の吉屋って中2が調子乗っているから、あいつのせいにしたらいい」と、

 提案してしまう。

磨凛愛(まりあ)

【フリーター、16歳】

・スナック「マグダーラ」の一人娘。志門たちは「エッチな店」と呼んでいる。

・磨凛愛の母はいつも胸元の開いた服を着て、「マグダーラが通った」と言われるほど強い香水をつける

・磨凛愛は中学卒業後は高校に進学せず、時々マグダーラの店を手伝っている。

・吉屋と町で出会い、夜の公園で待ち合わせて話すようになる。

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