第25話:人々の事件に対する見解の相違

文字数 1,724文字

 この事故で3歳の女の子とその母親の2人が死亡、8人が重軽傷を負った。この事件は、高齢者の免許返納が増加するきっかけになった。乗用車を運転していた飯塚幸三が、ブレーキとアクセルを踏み間違えた事によって車を暴走させ、交差点に進入した。
「そして歩行者・自転車らを次々に、はね、計11人を死傷させた。」
「母子2人が死亡、同乗していた飯塚の妻を含む9人が負傷」
「加害者である飯塚自身も負傷した。」

 その後、入院したが、退院後に自動車運転死傷行為処罰法違反「過失運転致死傷」容疑で書類送検・在宅起訴された。東京地方裁判所における刑事裁判で、飯塚「刑事裁判の被告人」および弁護人は「車に電子系統の異常が起き、ブレーキが効かなくなった」として無罪を主張したが、検察官はその主張を否定した。「事故の原因は、被告人がブレーキとアクセルを踏み間違えたことだ」として、禁錮7年「法定刑の上限」を求刑した。

 2021年9月2日、東京地裁は検察側の主張「被告人による過失」を認め、禁錮5年の実刑判決を言い渡した。弁護側・検察側とも控訴せず、判決は同月17日に確定した。車を運転していた飯塚幸三は、かつて通商産業省の技官、クボタの副社長を務めていた。飯塚は事故の約1年前から脚が、不自由で杖を使う事もあった。その原因の1つとして通院先の医師はパーキンソン症候群と似た症状があると診断した。飯塚本人に「運転は許可できない」と伝えていた。

 また、事故後に別の医師が改めて診断した結果「パーキンソン症候群の疑いがある」と判断している「だたし確定診断はない」被告人質問によれば、飯塚は、1965年に運転免許を取得して以降、事故を起こす迄、日常的に運転をしていた。その一方で、2001年には自転車との接触事故を起こして略式処分を受けたことがあった。警視庁は証拠として事故車両を押収し、ドライブレコーダーの映像・目撃証言などを確保していた事。

 それに加え、飯塚が事情聴取の要請に素直に応じていたため、「飯塚が逃亡・証拠隠滅を図る恐れはない」と判断し、退院後も飯塚を逮捕せず捜査した。ドライブレコーダーの記録から、飯塚が事故直前に赤信号を2回無視していたことが判明した。その他、ブレーキをかけた形跡がないことも判明した。飯塚は、事故直後、息子に電話をかけ「アクセルが戻らなくなり、人をひいた」と説明したが、警視庁が調査したところ車に不具合は見つからずエアバッグも正常に作動していた。

 そのため、警視庁は最終的にこの事故の原因を「運転手によるアクセルとブレーキの踏み間違い」と判断した。事故現場付近の日出町第二公園「豊島区東池袋」には、死亡した母娘の慰霊碑が、建立され、2020年7月11日に除幕式が執り行われた。最終的には、判決公判は、2021年9月2日14時から開かれ、東京地裁刑事第17部「下津健司裁判長」は、被告人に対し、禁錮5年の実刑判決を言い渡した。

 警察が運転者を現行犯逮捕しなかったこと、加えて、報道機関が「容疑者」ではなく、敬称や肩書きで呼称した事。それについて、「警察やメディアが特別扱いしているのではないか」と批判の声が上がったことが報じられている。加害者の飯塚が元官僚だったことから、インターネットでは飯塚について「『上級国民』だから逮捕されないのか」との書き込みが相次ぎ、拡散された。

 また、ネット上では本事故と、同月21日に神戸市で発生した神戸市営バスの交通死亡事故「運転手が現行犯逮捕」が、対比されて報じられた。捜査関係者は「逮捕しないのは、事故を起こした人物も負傷して入院しており、刑事訴訟規則で定められた逮捕の要件『逃亡や証拠隠滅の恐れがある場合』を満たさないため」元官僚だったことは事故発生からしばらく経った後に判明した事で、ネット上の批判は当たらない」と説明した。

 これを見た下館は、警察、検察とも一般人に対する扱いと政治家、上級公務員に対しての扱いが、違うと言う件については、自分も実際にこういう経験をしたので、ありそうな事だと述べた。身内にやさしい公務員は、絶対におかしい。むしろ、身内には、一般の人に対してよりも、むしろ、厳しく対応べきだと語った。
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