第1話 明治生まれの祖父の苦難

文字数 493文字

明治生まれの祖父の話である。
祖父英一は静岡県で生まれた。長男として生まれた。子供の頃から大きな夢を描いていた。その時代にしては珍しく、東京の大学に進学した。就職も順調で三菱商事にて職務をこなす毎日だった。結婚した時には三菱商事で出征するのは当時は東京大学卒と決まっていたので、叶わないことを考え、子供が2人いたが満鉄の仕事に乗り出し天津に渡った。天津では時の首相、吉田茂氏と友好を深めた。吉田茂氏は満州の領事官を当時していたのだった。
妻と子供である長男をひとり日本に置いて、自分と二番目の子供である長女を連れて単独天津に来たのであった。長女は毎日現地の幼稚園に通う時、ふたりの奉公さんに御輿で担がれて御簾の中に篭りながら今で言う「姫様のお通り〜」などと言われて子供ながらに気分がいい気がする傲慢さも出てきてしまったり、また恥ずかしい気持ちも感じたりしていたそうだ。

英一の悲劇はこれから始まる。日本に残した妻ムツが双子を出産したが重いお産のため亡くなった。まさかの展開が天津にいた英一に起こる。お姫様と呼ばれた娘も家族が増えることを楽しみにしていたが、まさか長く会っていない妻が死ぬとは!

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