第3話 人生は・・・

文字数 297文字

長い人生の中で英一はとても苦しんだ。
年老いて横浜の交差点を渡っているところですっ転んで転倒し、頭を打って亡くなった。

英一は静岡の裕福な家の出身だったため徳川家に由来する家紋を大切にしていた。それは丸におもたか、という家紋だった。長男坊だったので家の農地をほとんど売り払い静岡県から神奈川県の横浜に上京してきた。

横浜ではシルクハットにタキシード、スッテッキをついていて車は英国車のオースチンというのに乗っていた。かなり洋風かぶれであった。居宅とする住居は外国人居留地だった山手本通りの西洋館であった。

これらは煌びやかな一面を羅列したに過ぎない。

その実態は子供の死、戦争、倒産など悲哀に満ちていた。
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