第14話

文字数 860文字

腐敗惑星のアリス★第14回「チャクラったら、不細工な服で外へ出ていけと」 トリニティの服は、学習機から学んだ古代の重潜水服にそっくりだ。

■「チャクラじいさんったら、本当にこんな不細工なかっこうで外へ出ていけというの」



今トリニティが着ている外出用の服は、学習機で学んだ古代の重い潜水服にそっくりだった。



「イヤよ、こんな装備。レディのかっこうじゃないわよ。チャクラってフアッションのセンスはゼロじゃない」



「いいじゃないか、お前のフアッションセンスの方がおかしい。これは非常に安全なのだよ。実用的なのじゃ。お前の成人式のため特別にあつらえたのだよ」



「重たい装備!なんで、ここにずっーといちゃいけないの」

「トリニティ、ききわけのない子だな。子供はいつか巣立つものなのだ」



「いいのよ、あたしは巣立たなくても」

「わがままを言ってはいかん。これは運命なのだよ」



 運命。その言葉を聞いた時、トリニティは『君に命を預けにきた』と言った男を急に想い出していた。

あれは誰だったのか?。

想いが一瞬、トリニティの頭をかすめた。



「あーあ、あたしって不幸な女だわ」

「トリニティ、不幸かどうか、お前の年令でわかるものじゃないぞ」



「わかるわよ。いやという程、この世界のことを学習機で勉強したんだから」

「学習機の授業など、過去の遺産にすぎん。現実はもっと厳しいぞ」



トリニティは今まで通ったことのない通路をあるかされていた。

「何、この通路」



「外へでるための通路じゃ。そこにエレベーターがあるじゃろ。それに乗り、表へでるのじゃ」



エレベーターにトリニティが乗ると静かにしまった。

 内線電話でトリニティがしゃべる。

「悪いが、トリニティ、わしは表へいけないからの。お前一人でがんばるんじゃ」



「それで、チャクラ、いつ帰ればいい?」

「何をいっとるのじゃ、ここへは2度と帰れん。それは産道エレベーターじゃ。お前がでると自動的に破壊される。一方通行だ」



 チャクラは恐ろしい事を平然と言う。



「そんなのないわよ、チャクラ」トリニティはむなしく叫んだ!





(続く)20210914改訂
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