第4話・炊く

文字数 393文字

正確に水加減をして、米に充分水を含浸(がんしん)できたら鍋を火にかける。
最初は中火だ。
「始めちょろちょろ中ぱっぱ」などというが、気にするな。
あれは(まき)で炊いていた頃の話だ。
薪で炊くなら必然的に、そういう火加減にならざるを得ない。
薪を釜戸にくべて、いきなり強火にはならない。
始めは火の勢いが弱く、あとになるほど火の勢いが強く「始めちょろちょろ中ぱっぱ」にならざるを得ないというだけの話だ。

なぜ強火じゃないのかって?
おいおい、お嬢さん方。
強火にしたら鍋から火がはみ出してしまうだろ?
よほど大きな鍋じゃなければ中火が正解だ。

中火で炊き始めて、泡が(あふ)れそうになったら、弱火にする。
そして泡が(はじ)けるような音がしなくなったら炊きあがりだ。

炊きあがったら、火を消して(ふた)を取らずに10分ほど蒸らす。
ここは「赤子泣いても蓋取るな」という先人の言葉に従おう。

蒸らし終えたら最後のプロセスだ。

to be continued
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