ここがぼくのお家だよ
文字数 2,067文字
ぼくはヴィゴ。ママはいっつも、ぼくのこと、可愛い可愛いって言うんだ。うん、ぼく、可愛いし。みんな、そう言うから、たぶん、ほんとに可愛いんだと思うんだ。ぼく、人間の言葉は大体、わかるよ。でも、人間はぼくの言葉がわからないから、時々、ちょっと不便。それに、ママの言うことは時々、難しくて、よくわかんない時もあるし。だってさ、ママは猫の神さまだから。ま、ぼくがママの考えてること、全部わかんなくても仕方ないよね?
ここの世界について説明しようかな。ぼくのお気に入りの場所は、階段の上にある、ふかふかの部屋だよ。前はママ、夜にならないとそこに入れてくれなかったんだけれど、最近は昼間でも入れてくれるようになって。
あったかいんだぁ。
夜になると、ママも一緒に眠るよ。というか、ママは夜にならないと眠らないんだ。時々、昼間でも、一緒に寝ることがあるけれど。それはほんとにたまに……かなぁ。
あと、ぼくはそこに行く階段も結構、好き、かな。
ご飯とトイレは、下。
ママは時々、世界をいろいろと変えてしまうんで(だって神さまだからさ)、ぼくはびっくりするんだけれど、まぁ、たいがいは居心地がいい……かな。
そして、あと、ここにいるのは、ぼくの兄弟のオーリィさ。
オーリィ……オーリィ?
あったかいんだぁ。
夜になると、ママも一緒に眠るよ。というか、ママは夜にならないと眠らないんだ。時々、昼間でも、一緒に寝ることがあるけれど。それはほんとにたまに……かなぁ。
あと、ぼくはそこに行く階段も結構、好き、かな。
ご飯とトイレは、下。
ママは時々、世界をいろいろと変えてしまうんで(だって神さまだからさ)、ぼくはびっくりするんだけれど、まぁ、たいがいは居心地がいい……かな。
そして、あと、ここにいるのは、ぼくの兄弟のオーリィさ。
オーリィ……オーリィ?
あれ? オーリィが、また、そっと目をそらした。たまーにこういう感じで目をそらすんだよね、オーリィは。ぼくにわかりっこない、みたいな感じに。んー、むかつくー!
そしたら。ぼくがむかついたのに気づいたみたいに、オーリィはちょっとため息みたいに息を吐いて、目をそらしたまま、言うんだ。
だって。ヴィゴにはほんと、わかんないと思うもん。外は、寒いと、ほんとにすごく寒いんだよ。寒くて寒くて、いつになったら寒くなくなるんだろうと思っても、すごく寒くて。外には、寒い時には、こんなあったかい場所なんて、ないんだ。空から水が降ってくる時なんて、サイアクさ。あと、白い怖い怖い冷たくて死んでしまいそうなものが落ちて来て、地面が真っ白になる時──。
あ、ぼく、それ、知ってる~。時々、お外がそういうふうになるよね。でも、あれすごくキレイだから、ぼく、好きだな。それに、別にそんな寒くならないじゃん。ま、確かに、ああいう日はちょっといつもより寒いし、ママもなんだかすんごい大変そうで不機嫌になるけれど、でも、さ。
ぼくだって、あれのことは知っている。ママは、あれのこと、雪、って呼んでる。
白くてきらきらしていて、外が真っ白になるのが珍しくて、ぼくは窓から見るんだけれど、オーリィは絶対、窓にお尻を向けて、見ようとしないんだよね。……うん。
白くてきらきらしていて、外が真っ白になるのが珍しくて、ぼくは窓から見るんだけれど、オーリィは絶対、窓にお尻を向けて、見ようとしないんだよね。……うん。
オーリィは、思い出したように、ぶるっと毛を逆立てて、震えた。それから、ぼくをちらっと見て、また、目をそらした。
あれ……ママが来た。
ママがぼくたちに話しかけてきたよ。
「今日は寒いわねぇ……といっても、きみたちはここでぬくぬくだから、寒くなっても関係ないけれど」
そう言って、ママは笑って、ぼくとオーリィの頭を撫でた。
ぼくはママが撫でてくれるの、大好き。
オーリィも、にぃ、って鳴いた。
ママは、右手でぼく、左手でオーリィを撫でて。
そして、オーリィに向かって、言ったんだ。
「これからどんどん寒くなって、冬になっていくけれど──おまえがうちに飛び込んでくる決意をしてくれて、本当にありがとう、っていつもこの季節にはママ、思うのよ、オーリィ。だって、おまえが庭にいたままだったら、どんどん寒くなっていくのに、ああ、お前はどうしているかしら、寒くないかしら、とすごく心配しなきゃいけないけれど、ここにいてくれるから、その心配をしなくてすむものね。
ありがとうね、オーリィ……うちの子になってくれて」
……ママが、オーリィに時々、言う言葉。
そうすると、オーリィはいつものように、にゃー、って答える。
にゃー、って。
ぼくには、それがどういう意味だかよくわかんないけれど、オーリィがぼくの家に来てくれて良かったな、って思うんだ。オーリィはいいやつだし。ぼくの兄弟だし。
ま、そんなこんななのが、ぼくのおうち──猫の神さまのママがいるぼくんちなわけ。
「ヴィゴ、お前はほんとにお気楽よねぇ」
……ママにまでそんなふうに言われると、ぼく、ちょっと拗ねちゃうよ?
でも、やっぱり、ぼくはママが好き。だって、ぼくのママだもん♪
ママがぼくたちに話しかけてきたよ。
「今日は寒いわねぇ……といっても、きみたちはここでぬくぬくだから、寒くなっても関係ないけれど」
そう言って、ママは笑って、ぼくとオーリィの頭を撫でた。
ぼくはママが撫でてくれるの、大好き。
オーリィも、にぃ、って鳴いた。
ママは、右手でぼく、左手でオーリィを撫でて。
そして、オーリィに向かって、言ったんだ。
「これからどんどん寒くなって、冬になっていくけれど──おまえがうちに飛び込んでくる決意をしてくれて、本当にありがとう、っていつもこの季節にはママ、思うのよ、オーリィ。だって、おまえが庭にいたままだったら、どんどん寒くなっていくのに、ああ、お前はどうしているかしら、寒くないかしら、とすごく心配しなきゃいけないけれど、ここにいてくれるから、その心配をしなくてすむものね。
ありがとうね、オーリィ……うちの子になってくれて」
……ママが、オーリィに時々、言う言葉。
そうすると、オーリィはいつものように、にゃー、って答える。
にゃー、って。
ぼくには、それがどういう意味だかよくわかんないけれど、オーリィがぼくの家に来てくれて良かったな、って思うんだ。オーリィはいいやつだし。ぼくの兄弟だし。
ま、そんなこんななのが、ぼくのおうち──猫の神さまのママがいるぼくんちなわけ。
「ヴィゴ、お前はほんとにお気楽よねぇ」
……ママにまでそんなふうに言われると、ぼく、ちょっと拗ねちゃうよ?
でも、やっぱり、ぼくはママが好き。だって、ぼくのママだもん♪