第6話 竜二頭!?
文字数 2,546文字
今日は子供達の学校の三者面談。
守ってくれていると言う竜との会話をしているものの、私の本業(?)は母親。
ちゃんとする事はしないとね。
三者面談の順番を待っている間、窓の外の空を見上げる。
きれいな青空のみが見える。当然、竜の姿などどこにもない。
この頃、竜の昔話を聞きながら、ふと考える。
あの竜にとって、私って何なのだろうと。
この私と言うのは、今、生きている「私」。
竜がせっせと、結婚してくれ! と言うお相手は「私」なのか、あの空間で共に過ごした「魂」なのか。
そもそも、あの「魂」と今の「私」は同じ存在なのか?
考えてもよく分からないので、あまり考えないようにしているが、こんな風にポカンと時間が出来た時は考えてしまう。
考えても、状況は変わらないんだけどね。
何事もなく終わったけれど、やはり先生との話は緊張する。
やれやれと思いつつ、ベッドに入る。
布団に潜り込んで、目を閉じると竜の気配が濃厚になる。
その竜に向かって聞いてみた。
ああ、なるほど。
つまりは、神様に呼ばれて行ってる先は「地」で、私が今いる「地上」ね。
で、「天」と「地獄」、どちらかに振り分けられちゃってると。
宗教的な観点からすると納得のいく答えだけど、どうして私は竜の元に戻って来てるわけ?
「天」にも「地獄」にも行けない落ちこぼれ?
「天」に行って、それまでやって来たことの評価を受けて、よくやったって評価されれば上の器に入れて、それを繰り返して最後は一番上の「人」になれるみたいだけど。
……その代わり、それまでの事は全部忘れちゃうって。
つまりは、ザルだった結界を、コンクリートにしたわけね。
私、と言うかチビたい魂を思ってのこととはいえ、帰って来た時に入れなくてショックだったろうな。
まぁ、お陰でこうして「人」になれているんだから、感謝すべきなのよね。
竜が見えてるわけじゃないから目が見えてるわけでもないので、視線なんかも見えないんだけど、何となく私の後ろを見ている気がする、なんだけどね。
で、チラッと後ろの方に意識を向けてみた。