第11話

文字数 1,684文字

現在はTLやBLが花盛りの爛漫です。
モノカキはエチエチ表現がうまくなければ、読者は読んでくれんのです。
でもさ、擬音?ばっかりで・・・なんなの?って作品も見受けられます。
と言う私も、エチ表現には苦労します。
ガイドライン設定も熟読します。
でもさ、恋愛物語になると、それなりの期待を読者様がしていると思うので、裏切りたくはないな、期待に応えたいとも思ってしまうのです。
さて、エチ表現を極めた文化が江戸時代にあります。
春画ってやつですね。
調べたら、がっつり探求している本を見つけてしまいました。

<江戸の女性たちはどうしていましたか?>
春画ール著 晶文社 

江戸時代の<過激表現・ラブ>を包み隠さず、考察しています。
ジェンダー的な視点ですが・・・
著者自身が、再現実験(ムラムラするお香の作成とか)している部分もあり、学術的、かつ、オブラートに包み隠さず、ズバリ記述している点がすごく評価できます。

内容的には18禁ですが、<過激表現・ラブ>の書き方に悩んでいる物書きさんは、読んで参考になる部分もあるかと思います。
また、江戸時代の文化を勉強したい人にもおすすめ。
ものすごーく勉強になりました!
グフッ!!

春画ール先生の著書を斜め読みではなく、精読し、かつ無修正の春画の図版をじっくりと眺めました。
先生の春画愛、かつアカデミックなアプローチする姿勢に、私の脳内で何かが化学変化を起こしたようです。
やっぱ、春画の刺激が・・・それも無修正なので・・脳内物書き部分に刺さったのでしょうか?
グフッ!!

<注目点1>
おもしろいのは、男女がいたしている最中、着衣が多いということ。
春画は鑑賞物ですから、着物の美しさも表現として重要です。
季節、身分、二人の関係性など、視覚情報として考えると、確かに裸体だと情報量が少なくなりますからね。

私見ですが・・・・時代物の漫画や映画を見ると
これは江戸時代の、住居形態、間取りが関係していると思います。
長屋などは今の1DK(風呂、トイレなし)ですから。
いきなり、ふすまや戸をズリッと開けられても、着衣ならごまかせますもんね。こどもも、そばで寝ているし。

冬ならなおさらです。暖房器具が火鉢ぐらいだから。
木造建築で、断熱材なんか入っていませんし。
隅田川が凍る、冷害で作物不良による飢饉などが起こり、今の札幌くらいの気温ではないかと言われています。
どてらを着ていないと、風邪を引きますよね。
こじらせて、肺炎になってすぐ、死んじゃいますよね。
いやっ、<過激表現・ラブ>大変ですぅ・・・・
それでも、人類はやるのでしょう。
今の我々がいるのは、その証明ですから。
あれっ?

<注目点2>
女性の上半身の描き方が、割とあっさりしている点も注目です。
著者はこう分析しています。
胸よりも、下半身が信仰対象として取り扱われていたため。
特に男性下半身が、神々のシンボルとしてまつられている事例を出しています。
人々の関心が、そちらの方が強かったのではないか。

ここからは私見ですが・・・・
確かに着物を着るとわかるのですか、グラマータイプは、胸元がきれいに決まりません。
着物は寸胴のほうが良いのです。
胸の大きさにこだわる・・・も、明治期から入って来た洋装・服飾文化と連動しているのでしょうか?
江戸時代では上半身は、あんまり関係なかったのでしょうかね。
おもしろいですね。

<注目点3>
身分の高いお姫様、お殿様の「はじめて」<過激表現・ラブ>なのですが、びっくらこきました。(図版あり)
なんと、お姫様の乳母が、うまくいくようにコーチ、介添えにつくのです。
初婚年齢が14とか15くらいなら、そうなるかもしれません。
相手が変態とか、けがとか、恐怖心で拒否などが、心配だったようです。
それは、立派な後継ぎを産むため、乳母のコーチが必要なことだったのでしょう。
男性側は、どう思ったのでしょうか?
むむむむ・・・・としか言いようがありません。コメントできねぇ。

あまり紹介すると<過激表現>をつけなければならなくなるので、
ご興味がある方は、お調べください。
著者の春画愛、探求心がふんだんにあふれて、すんばらしい本でした。
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