第3話 めざせカミサマスター!
文字数 1,845文字
めんどいけどしょうがない。私は同じ部活に入ってる深作に連絡をとった。深作に大した力はないけど、そのお兄さんが頼りになる。パソコンやネットに詳しくて、頼まれればすぐに助けれくれる。喜んで仕事してくれる。まあ、フリーって訳じゃないみたい。通信制限でやりたいことができないんだって。だから、友人知人の通信機をどーにかこーにかすると、すんごいことができちゃうとかなんとか。ちょっと危なげなんだけど、大丈夫。たぶん。
深作兄、サクキョンはノリノリだった。
サクキョン
『まずは握手だ。ここをタップだ』
けい氏
『あいすまぬ。メカは不得手で』
サクキョン
『メカって。相当なジジイだな。俺が暴いてやるから任せとけ』
神様相手だとは思ってないみたい。サクキョンが解析に乗り出して、とりあえずなんとかなった気分。
安心する私と違って、けーちゃんは明日に備えはじめた。
明日は月曜日。このまま登校したら?
先生にふざけてると思われる→スマホかタブレットが故障中ということで理解してもらう。
想像できるわー。
小学生でもわかることに、けーちゃんは時間を使ったりしない。
大人たちは口をそろえて言う。瀬川くんは要領がいいって。
一週間して、けーちゃんは私の想像をびょーんと飛び越えてきた。
なんか普通に家まできたんですけど。先週よりも気軽に、自力で玄関をくぐったんですけど。
「電話でよくない⁉︎ なにか⁉︎ 非常事態か⁉︎」
あわてる私に、けーちゃんは自慢げな笑みを見せた。
「嶋崎さんとラインのID交換した」
「は? おめでとう。なおったの?」
「なおってたらソッコー、ラインすんだろ」
「そうだった」
けーちゃんは得意になって教えてくれた。サクキョンの知り合いや医者に協力してもらって、けーちゃんは識字障害の診断書をもらったらしい。ホンタイセイデジタルディスレクシアって病名を作ったんだって。
作れんの⁉︎
ま、それはそれとして、これで学校の方はどうにかなった。テストは口頭試験になるみたい。やったじゃん。けーちゃんは簡単に相手の感情を読んでしまう。ビデオ通話になれば、カンニングしているのと一緒だ。間違いそうになっても、調子よく軌道修正するに決まってる。
で、気になるのは同じ一週間で、嶋崎さんと仲良くなってることだ。
なんで仲良しだってわかるかって言うと、ラインのやりとりを見せてもらったからだ。
見ていいのかわかんないけど。
けーちゃんはほんと器用だ。
授業中、変な返答でクラスは大盛り上がり。人気者の評判を提げて、嶋崎さんが立ち上げた同好会に入ると、同好会のライングループに参加するために嶋崎部長のIDゲット。
はれてコンテキスト同好会の一員になった。
んん?
私的には「なんのコンテスト?」って感じだ。よくわかんないけど、文章に関わる事らしい。ぴったりじゃん。
類は友を呼ぶってやつ? けーちゃんがクラスの違う嶋崎さんを知ったのは入学式。嶋崎さんの新入生代表の挨拶だ。面白かったらしいけど、嶋崎さんも変わってそう。
そんで、けーちゃんは大歓迎された。研究対象って意味で。
私も見てて楽しいと思う。けーちゃんは神様に課金しまくってレベルアップ。ポケモンみたいに神様を使いこなしてた。八百万をマスターする気かよ。
ただし、ポケモンと違って相性は不明。入れかえは単純じゃないみたい。どうかすると、神様の影響が混ざって、意味不明の記号になった。なかなかに怖い文章に進化する。
やばっ。
アドバイザーとして頼もしいコンテクスト同好会の仲間たち。入試で一番をとった嶋崎さんは最大の協力者だ。
結構、二人だけでトークしてる。
ハイライトは神代文字。私のスマホじゃ打てないんだけど。
日本独自だと騒がれた最古の文字だとか。結局はそこまで古くなかったていう文字。
嶋崎さんは笑う。
ルチア
(神様も話を盛るってことかな?)
けーちゃんの返事は読解不能。嶋崎さんの冗談にかろやかに応じてやったって言うけど、ほんとか?
ドキドキのかけらもないじゃん。
「これで会話が成立してんの?」
「ハイコンテキストだよ」
「は?」
ずっとにやにやしっぱなしのけーちゃん。楽しそうなのはいいけど、たまに差し込まれるは世間話が笑えないのはなんで。
ルチア
(眠れないくらい寒くなる
家が埋まっている方があったかい
いつもよりもよく眠れる)
眠るように凍死する事件が後をたたないってのに。
文字では目覚ましにはならない。
だから、けーちゃんは決意したんだ。
深作兄、サクキョンはノリノリだった。
サクキョン
『まずは握手だ。ここをタップだ』
けい氏
『あいすまぬ。メカは不得手で』
サクキョン
『メカって。相当なジジイだな。俺が暴いてやるから任せとけ』
神様相手だとは思ってないみたい。サクキョンが解析に乗り出して、とりあえずなんとかなった気分。
安心する私と違って、けーちゃんは明日に備えはじめた。
明日は月曜日。このまま登校したら?
先生にふざけてると思われる→スマホかタブレットが故障中ということで理解してもらう。
想像できるわー。
小学生でもわかることに、けーちゃんは時間を使ったりしない。
大人たちは口をそろえて言う。瀬川くんは要領がいいって。
一週間して、けーちゃんは私の想像をびょーんと飛び越えてきた。
なんか普通に家まできたんですけど。先週よりも気軽に、自力で玄関をくぐったんですけど。
「電話でよくない⁉︎ なにか⁉︎ 非常事態か⁉︎」
あわてる私に、けーちゃんは自慢げな笑みを見せた。
「嶋崎さんとラインのID交換した」
「は? おめでとう。なおったの?」
「なおってたらソッコー、ラインすんだろ」
「そうだった」
けーちゃんは得意になって教えてくれた。サクキョンの知り合いや医者に協力してもらって、けーちゃんは識字障害の診断書をもらったらしい。ホンタイセイデジタルディスレクシアって病名を作ったんだって。
作れんの⁉︎
ま、それはそれとして、これで学校の方はどうにかなった。テストは口頭試験になるみたい。やったじゃん。けーちゃんは簡単に相手の感情を読んでしまう。ビデオ通話になれば、カンニングしているのと一緒だ。間違いそうになっても、調子よく軌道修正するに決まってる。
で、気になるのは同じ一週間で、嶋崎さんと仲良くなってることだ。
なんで仲良しだってわかるかって言うと、ラインのやりとりを見せてもらったからだ。
見ていいのかわかんないけど。
けーちゃんはほんと器用だ。
授業中、変な返答でクラスは大盛り上がり。人気者の評判を提げて、嶋崎さんが立ち上げた同好会に入ると、同好会のライングループに参加するために嶋崎部長のIDゲット。
はれてコンテキスト同好会の一員になった。
んん?
私的には「なんのコンテスト?」って感じだ。よくわかんないけど、文章に関わる事らしい。ぴったりじゃん。
類は友を呼ぶってやつ? けーちゃんがクラスの違う嶋崎さんを知ったのは入学式。嶋崎さんの新入生代表の挨拶だ。面白かったらしいけど、嶋崎さんも変わってそう。
そんで、けーちゃんは大歓迎された。研究対象って意味で。
私も見てて楽しいと思う。けーちゃんは神様に課金しまくってレベルアップ。ポケモンみたいに神様を使いこなしてた。八百万をマスターする気かよ。
ただし、ポケモンと違って相性は不明。入れかえは単純じゃないみたい。どうかすると、神様の影響が混ざって、意味不明の記号になった。なかなかに怖い文章に進化する。
やばっ。
アドバイザーとして頼もしいコンテクスト同好会の仲間たち。入試で一番をとった嶋崎さんは最大の協力者だ。
結構、二人だけでトークしてる。
ハイライトは神代文字。私のスマホじゃ打てないんだけど。
日本独自だと騒がれた最古の文字だとか。結局はそこまで古くなかったていう文字。
嶋崎さんは笑う。
ルチア
(神様も話を盛るってことかな?)
けーちゃんの返事は読解不能。嶋崎さんの冗談にかろやかに応じてやったって言うけど、ほんとか?
ドキドキのかけらもないじゃん。
「これで会話が成立してんの?」
「ハイコンテキストだよ」
「は?」
ずっとにやにやしっぱなしのけーちゃん。楽しそうなのはいいけど、たまに差し込まれるは世間話が笑えないのはなんで。
ルチア
(眠れないくらい寒くなる
家が埋まっている方があったかい
いつもよりもよく眠れる)
眠るように凍死する事件が後をたたないってのに。
文字では目覚ましにはならない。
だから、けーちゃんは決意したんだ。