第2話
文字数 539文字
そもそも俺は、『フリンジヒーローズ』という乙女ゲーム内で生活するキャラクターだった。
八人いる攻略キャラのうちの一人で、名前は辺見銀一 。
友人からは「ペンギン」と呼ばれている。陸上よりも水中の移動の方が得意だからだろう。
『フリヒロ』の攻略キャラは全員、悪の組織と戦うために地球防衛組織によって召集された特殊能力者で、俺は意思の力だけで物体を移動させる『念力』を使える。
悪の組織と戦っていないときは、水泳部に所属する、ただの高校二年生だけどね。
ともかく、俺は『フリヒロ』の世界から、突然、こっちの『リアル』世界に転生されて、俺自身の―――辺見銀一 のキャラクター・アクリルスタンドに閉じ込められてしまった。
そのアクスタの持ち主がユウカだ。
ユウカはちょっとしたアホっ子、じゃなくて、愛嬌のある中学一年生で、一緒に過ごすうちに、俺にとって大切な存在になった。
推しの魂がアクスタに宿っているなんて知るはずもなく、ユウカは俺をアクスタポーチに入れ、スクールバッグに付けて持ち歩いていた。
あいつ、しょっちゅう俺に「大好き」とか言ってる割には扱いが雑で、依り代 であるアクスタが壊れないかとひやひやしどおしだった。
でもまさか、ユウカと離れ離れになってしまうなんて考えもしなかった。
八人いる攻略キャラのうちの一人で、名前は
友人からは「ペンギン」と呼ばれている。陸上よりも水中の移動の方が得意だからだろう。
『フリヒロ』の攻略キャラは全員、悪の組織と戦うために地球防衛組織によって召集された特殊能力者で、俺は意思の力だけで物体を移動させる『念力』を使える。
悪の組織と戦っていないときは、水泳部に所属する、ただの高校二年生だけどね。
ともかく、俺は『フリヒロ』の世界から、突然、こっちの『リアル』世界に転生されて、俺自身の―――
そのアクスタの持ち主がユウカだ。
ユウカはちょっとしたアホっ子、じゃなくて、愛嬌のある中学一年生で、一緒に過ごすうちに、俺にとって大切な存在になった。
推しの魂がアクスタに宿っているなんて知るはずもなく、ユウカは俺をアクスタポーチに入れ、スクールバッグに付けて持ち歩いていた。
あいつ、しょっちゅう俺に「大好き」とか言ってる割には扱いが雑で、
でもまさか、ユウカと離れ離れになってしまうなんて考えもしなかった。