(四)-2

文字数 225文字

「毎週いらしているんですか?」
 私はここで既に三年間は働いている。彼の姿を見つけたのは先週が初めてだった。だから毎週来ているはずがないのはわかっている。わざとそう聞くことで、何かを聞けるかもしれない。そう思い、聞いてみた。
「ええ、実は一ヶ月くらい前にこの近くに引っ越してきたんですよ。ようやく生活が落ち着いてきたので、日曜にはこうして彼とお出かけしているんです」
 そう言うと、彼女は笑顔を見せてくれた。とてもかわいらしい幸せそうな笑顔だった。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み