(二)-9

文字数 306文字

 福利厚生もしっかりして、有給や産休も比較的とりやすい、いい職場ではあった。しかし、あの寺庄という男のせいで、私は結局この会社を退職することになった。

 その後、私は男児を出産、伊輔(いすけ)と名付けて百々力(とどろき)の実家で育てることにした。
 そうして伊輔が三歳になった時、私は伊輔を両親に預けて働きに出ることにした。昔の職場の仲間からは「戻ってきたらどう」と声をかけてもらったが、幼稚園への送り迎えなどもあり、フルタイムではなかなか難しかったのでふんぎりが付かなかった。ともかく、比較的時間の都合が付きやすい仕事を探し、今は電車で一本のところにある三子多摩川駅近くのショッピングセンターにあるカフェで働き始めたのであった。

(続く)
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