第9話:竜二のと範子さんの初デート

文字数 1,659文字

 その席で、竜二が配達の仕事をしていて、忙しい時期には級友の吉村達夫に手伝ってもらってる話をすると、竹山節子が、吉村君とお付き合いしてると聞かされた。竹山さんが、池川君と、最近まで付き合っていたが、両親の転勤で東北に引っ越し、別れたと言う話をした。そして、竜二さんが良かったら、私達4人でデートしませんかと明るく言った。

 それを聞き竜二が、俺、彼女いないんだと照れ笑いした。今やってる仕事の運送では、「あゆ」、「やまめ」など川魚を釣って、新鮮なうちに氷詰めにして売っていると告げた。どこで釣るのと聞かれ相模川、中津川と答えた。特に中津川では、よく釣れると話した。夏は、中津川の上流は、冷たい滝の水が流れ込んで冷たくて気持ち良いと笑いながら話した。

 その時、池川範子さんが「あゆ」、「やまめ」美味しそうね、また、中津川も行ってみたいと話した。その後6月20日の木村秀一と岩下幸子の結婚式の招待状が届き、出席の返信を送った。1969年6月20日に八王子の結婚式場に行くと同級生が多く、なつかし顔ばかりだったが、あまり変わっていなかった。
 
しかし、同級生の中でも木村が、一番、最初の結婚だと言う事もわかった。そして結婚式を終えて自宅に帰り、翌日から、また忙しい日が、始まり駅留めの荷物の宅配、買い物、お中元の配送出、お盆過ぎまで忙しかった。8月18日に家に電話が入り、母が、可愛い声の女の子から電話だよと呼ばれた。

 電話に出ると、先日、お世話になった、池川範子ですと言い、用件を聞くと8月中に以前、お話をきいた中津川の上流へ連れて行ってもらえませんかと言うので構いませんけれど答えた。明後日1969年8月20日は、どうですかと聞かれ了解した。その後、竜二が池川さんの家を聞いて迎え行くと言うと9時にお願いしますと言われ迎えに行った。

 当日は、晴天で、朝から暑い日だった。池川さんの家に行くと大きなお屋敷だった。以前から木材の仕事をしてる様だ。家の中から両親が出て来て、無理、言ってすみませんねと述べた。池川範子さんは、照れて赤くなった。荷物を荷台の箱の中に入れて閉めトラックの助手席に乗った。すると竜二が、ださいトラックでごめんなと言うと走ればOKと笑いながら言った。

 そして1時間半かけて、城山を抜け、津久井、根小屋、串川、鳥屋、宮ヶ瀬から山道を奥へ長者屋敷キャンプ場、唐沢キャンプ場も過ぎ最上流部の煤ヶ谷という場所の水量の多い中州のような所に車を止めた。ここが、向こうの林で、日陰になっていて、水の冷たい、ちょうど良い深さの場所で泳ぐのに最適だというと大きなバスタオルを広げた。

 後ろ向いていてと言って着替え始めて、すぐ、ワンピースの水着に着替えた。竜二も服を脱いで海水パンツになり、俺の後をついてこいと言った。川に入ると、ほんとに冷たいと言って水を少しずつ体にかけて、やがて水に入ると気持ち良いと言い泳ぎ始めた。範子さんは、平泳ぎで、すいすい泳ぐのを竜二がクロールで追いかけた。

 すると、すぐに追いついて、流れが、速いから気をつけろと、言った。そして30分位泳ぐと一休みして、トラックの中に入って身体を温めた。範子が、何を思ったのか、竜二に抱き付いてきた。何すんだと驚いて、竜二が言うと、竜二さんて、顔に似合わず、うぶなのねと言った。心では、恥ずかしがっていたが,若い身体は、正直なもので、いきり立った。

 範子は、それを掴んで、ここ元気じゃないと、笑いながら、もてあそんだ。やめろよと、竜二が言うと、誰もいないから平気と言い、持って来た大きなタオルと車の日よけにカーテンのようにして外から見えなくして、しばらくの間、抱き合った。

 彼女が準備万端で、全部うまくやってくれ、終わった後、竜二は呆然としていたが、彼女は、あっけらかんとして、身支度をした。帰りましょうと言いうと、既に15時近くなっていた。細い道をゆっくりと車を走らせ帰った。40分位で大きな道に出て道沿いの喫茶店に入りケーキセットを食べて,ゆっくりと休んだ。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み