第8話:友人の結婚と家の改修

文字数 1,821文字

 結婚の予定は、いつだと聞くと来年中と考えてるというので結婚式には招待しろよと言った。それじゃ良い部屋にしてやんねーとなと笑った。前金でどれ位いるかと、聞かれ、金あるのかと聞くと、大丈夫と言うので、前金50万円を預かった。使った時の領収書は、取っておくから完成後計算して費用を差し引いて返すと伝えた。

 これで良いかと竜二が木村に聞くと了解と言ってくれたので竜二の三菱銀行八王子支店の口座番号を教えた。数日後50万円が、入金された。毎週、暇な日の半日を木村の離れの改修工事に費やして、3月から仕事を始めた。最終的に材料と資材代で35万円かかり、手間賃15万円の50万円をもらった。

 その他、1968年は小型トラックで宅配を引き受けて忙しく働いた。そして4月3日に完成しちょうど50万円で6畳の和室と洋室の板張り間仕切りと配線工事をして終了。そして木村君に見せると良いねと言ってくれた。結婚して、もし台所と浴室を増築する時にもやって欲しいと言われ了解した。

 夏の中元シーズンは、真夏の炎天下、氷嚢をクーラーボックスに入れて、働いて、身体は、しんどかったが、9月には累計利益が150万円を超えた。順調で仕事の依頼があり、最近は家具、肥料など重たい物も頼まれるようになった。人手が欲しい時には、中学時代の級友に電話し、暇な時、手伝ってもらった。

 そのかわり食事をおごってやり、商売は順調に運んだ。そしてタケノコ、山菜、アユ、ヤマメも売れる事がわかった。そのためトラックで、行商して見ると地元では、竜二の行商が、商売になる事がわかった。その後、配送、行商、買い物と多くの仕事を抱えて忙しくなり、農閑期の友人に手伝ってもらった。

 忙しい分、収入が増えて、1968年は半年間の利益が100万円を越えそうな勢いになった。その話を加藤さんの所へ行くと喜んでくれた。しかし、食品は衛生に注意してビニール袋で扱えとか、魚は焼いた物を販売しろとか、細かい事まで教えてくれた。そして預金が増え、200万円となった。

 中学卒業して、家でぶらぶらしてた、級友の吉村達夫を手伝いとして、日当と食事をおごり2人で出かける日が増えた。そして吉村達夫にも免許を取れと言い費用を出した。1968年の秋に免許を取り2人で手分けして仕事をすると、さらに効率よく仕事がはかどり利益も増えた。そして運賃も少し値上げし今年は200万円の利益を稼いだ。

 そして1969年を迎え、加藤さんに、この状況を話すと、たいしたもんだと誉めてくれた。そこで竜二が、以前、金を払うから駅までタクシーの様に送ってくれないかと言わた。その時、往復で良い稼ぎだった。続けても良いかなと加藤さんに聞くとタクシーは完全に法律違反。もし事故でも起こしたら取り返しがつかないから絶対にするなと言われ直ぐに辞めた。

 その他も、いろいろ聞くと正式にはタクシー業の免許がないと、ダメ出しされ、現在は1人か2人で便利屋としてやってるから良いが、これ以上手を広げるなと忠告された。そして竜二は加藤さんに言われたことをメモ帳に書いた。そして預金が400万円を越えたと加藤さんに言うと証券口座に200万円入れて株取引をして稼がないかと誘われた。

 竜二が、なんだか面白そうだと言い証券口座を開き200万円を入金した。この年も友人にも手伝ってもらって忙しく動き回って働き、やがて1968年が終わり1969年を迎えた。この地区の冬は、寒さが厳しく、滑りやすくなるのでチェーンをつけないと危ないと思い、早めにタイヤにチェーンをつけて運転した。

 また、慎重に運転しないとスリップする経験をした。そんな寒い2月いつもの様に仕事に出るとバス停で若い女の子が、寒そうにバスを待っていた。それを見て、可哀想になり、どうしたと聞くと、バスか山の方の坂道でスリップして立ち往生したみたい。そのため友達との待ち合わせに間に合わなくなると言うので。助手席に乗れと言い、橋本駅まで送ってやった。

 顔見知りではなかったので、竜二は自分が、地元で、どこに住んで名前はと教えた。すると、その後、同じ中学の3つ下で名前は竹山節子と友人の池川範子とわかった。20分位で駅に着くと、お陰で約束に遅れなくて済むとお礼を言われ、急いで待ち合わせ場所へ向かった。その後、彼女たちから電話が入り、その年のクリスマスに橋本の喫茶店でケーキを食べてささやかなクリスマスパーティーを開いた。
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