第2話

文字数 613文字

僕はその近所のおばちゃんにこの世界に来た経緯と現状を話した。
すると、おばちゃんは青ざめた顔で言った。
『その子って…青木春ちゃんのことで…合ってるかい…?』
『はい』
『……………………………………そうかい』
『どうしたんです?』
『いや……何でもない。ただ…あんたはここから先の話は聞かない方が良いかもしれない』
『いや。教えてください』
『………………良いんだな?』
『はい。でも最後に1つだけ…』
『なんだい?』
『どうして春さんだって…青木春さんだって分かったんですか?』
『…………言えない』
『…どうして』
『言えないんだ…………………"これ"は絶対に。言えないんだ…!…………あんたに1つだけ…1つだけ言えることは…!あの子は…青木春はもうこの世にいないってことだ!遠い昔に事故で死んだのを私は見たんだ!!………………すまねえ』
頭が真っ白になった。
信じられなかった。
すると"また"頭痛がやってきた。
そう!
また頭痛だ!
まためまいだ!
また…意識が…遠のく……!
ああ!意識が…消えていく………!
ごめんな…春…
でも待ってろ…
君を…必ず救いに行く!
…から。
(……………)
目が覚めると僕は自分の部屋のベッドにいた。
時計の針は昼の12時を指していた。
…よく寝たんだな。

そう思った僕は立ち上がり、支度を済ませ、君に…青木春に会いに行くために大学に足を運んだ。

だけれども。
その夏。君はどこにもいなかった。
そして、気づけば季節は春になっていた。

第三話に続く…
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登場人物紹介

石川冬樹。

青木春を救う為に違う過去にタイムリープした物語の主人公。


青木春。

主人公冬樹を救ってくれ、冬樹とただの友達ではなくなったヒロイン。彼女が姿を消したのは神隠しか…それとも?

謎の近所のおばさん。

主人公冬樹の正体に気づいた謎多き人物。

謎の少年。

8歳くらいの少年。物語のキーマンのように思えるが…果たして神隠しの元凶を知っているのだろうか?

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