ミラクルにゃんこ
文字数 723文字
その時が訪れたのは、注文した料理を全て食べ終わり、チェキを撮る時だった。
撮影場所で待たされること30秒、そんな気配を感じ取り僕は謎の恐怖に震えながら撮影場所で立ち尽くす。
僕のチェキに訪れたのはあの神々しいミラクルにゃんこだった。
ロイヤルにゃんこと僕の2人でハートを作るだと……。
僕のような常連でもない人間がそんなことをしても大丈夫なのだろうか。
なんと、最高の領域なのだろうか。
僕が勝手につけているミシュランメイド喫茶で三ツ星をあげたい程だ。いや、あげる!
完全に心が踊っている。熱い熱い南米のサンバのように。弾けている。
僕は震える右手を出し、ゆっくりとメロにゃんの作ったハートの片割れにくっつけた。
不意に発せられたメロにゃんの一言。
ネネにゃんの虜になっていた僕は一瞬でメロにゃんの虜になった。
この時の写真の僕の顔はどれほどアホ顔になっていただろうか。
僕は店から出る瞬間、隠し持っていたものを出した。
最高密度の勇気を振り絞り……。