第6集……驟雨逢中許多紅花 雨来たる中に紅の花

文字数 435文字

濛濛煙雨色  濛濛たる煙雨の色を

躱樹下觀望  樹の下に躱して観望す

龍爪花開側  側に開く龍爪花と

同過到向陽  同に向陽の到るまで過ぐ




【 現代中国語(普通話) 読み 】

méngméng yānyǔ sè

duǒ shù xià guānwàng

lóngzhuǎhuā kāi cè

tóng guò dào xiàngyáng




【 解説 】
どしゃ降りの通り雨を曼珠沙華と一緒にやり過ごす、という詩です。
中国語では曼珠沙華を龍爪花といいます。確かに龍の爪みたいに見えますし、また、龍をイメージする辺りが中国らしくて格好いい素敵な名前だと思います。
今回の詩は、転句一字目に仄声の文字を置けば、起承句と転結句の平仄が綺麗に対になっていたんです。しかし、私は龍爪花を諦めきれませんでした。龍爪花でないとあの幻想的な風景は伝わらないと考え、響きを捨てました。この判断が正しいのか否かは判りません。
因みに、迷っていたもう一つの名は石蒜花です。こうして書き出すと、やっぱり何か違うんですよね。
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