第4集……偶遇雪一般的花落 雪降るごとき花と遇う

文字数 558文字

徑路鮮裝森紫薇  径路を鮮やげに装ふ紫薇の森に

風吹一片作花飛  風吹き一片に花の作りて飛ぶ

落英逵上猶成雪  逵の上に落英するは猶ほ雪の成るがごとし

瓣覆行迷前遽歸  弁の覆ひで行き迷ふ前に遽やかに帰す




【 現代中国語(普通話) 読み 】

jìnglù xiān zhuāng sēn zǐwēi

fēng chuī yīpiàn zuò huā fēi

luòyīng kuí shang yóu chéng xuě

bàn fù xíng mí qián jù guī




【 解説 】
百日紅の白い花が舞い散っている様が雪のようだ、という詩です。
いわゆる見立てというやつです。調子に乗って工夫を凝らすようになりました。
紫薇は百日紅の別称です。百日紅という単語をそのまま用いることも出来たんですが、薇の韻目の中に使いたい字があったので、今回は紫薇を採りました。因みに、中国語でいう森とは何かがびっしり立ち並ぶという意味で、それは樹木に限りません。まあ、沢山の樹木が並ぶ、でも間違っちゃいないんですが、日本語でいうところの森のイメージはないのは確かです。
初めて七言詩に挑戦してみた感想は、うっかりすると承句転句の二字目を孤平にしてしまう油断ならない詩形だな、です。転句の三字目に、その苦心の跡が隠す気もなく見えているのが判ると思います。
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