【0】*子供の頃の宝物
文字数 584文字
俺は望む限り子供だ。故に、人生は冒険だ。
――失礼、これでは何が何やらといったところか。
子供の頃、宝のように大事にしていたものがあるだろう。
自分で手に入れたが、誰かから貰ったか。それはその辺の自然物か、市販のアイテムか。入手手段や、その種類は様々だが、本来その存在の一般価値基準に見合わないほど長く愛した思い入れのものがあった者は、きっといるだろう。
俺は大人になっても様々な宝物を手に入れ、時には仲間と感動を共有したものだ。
しかし、超えられない。未熟な頃に手にしたちっぽけな宝に勝る感動や思い入れはもう感じられない。どんなに金銭価値の高い宝も、無垢な思い出の前には無力だった。
きっと、比べるべきではないのだろう。自力で初めて稼いだ1ゴールドと、今手にしている1ゴールドの価値は全く同じだ。思い入れという価値基準は切り離して考えるべきだ。
だがそれでも追い求めるとしたら。子供の感動を再び、何度でも求めるとしたら。
子供に戻るしかないと思った。心を幼い冒険者にし、この世にスリルとロマンを感じよう。
幸い、この世界にはそれだけの謎や危険、そして夢が残っている。それを認識し、心を躍らせれば、大人は子供にいつだって戻れるのだ。
さあ今日も冒険に出かけよう。愚かしくも清々しくお宝探しを続けようじゃないか。
――オセロニア界の、トレジャーハンターの一人として、ね。
――失礼、これでは何が何やらといったところか。
子供の頃、宝のように大事にしていたものがあるだろう。
自分で手に入れたが、誰かから貰ったか。それはその辺の自然物か、市販のアイテムか。入手手段や、その種類は様々だが、本来その存在の一般価値基準に見合わないほど長く愛した思い入れのものがあった者は、きっといるだろう。
俺は大人になっても様々な宝物を手に入れ、時には仲間と感動を共有したものだ。
しかし、超えられない。未熟な頃に手にしたちっぽけな宝に勝る感動や思い入れはもう感じられない。どんなに金銭価値の高い宝も、無垢な思い出の前には無力だった。
きっと、比べるべきではないのだろう。自力で初めて稼いだ1ゴールドと、今手にしている1ゴールドの価値は全く同じだ。思い入れという価値基準は切り離して考えるべきだ。
だがそれでも追い求めるとしたら。子供の感動を再び、何度でも求めるとしたら。
子供に戻るしかないと思った。心を幼い冒険者にし、この世にスリルとロマンを感じよう。
幸い、この世界にはそれだけの謎や危険、そして夢が残っている。それを認識し、心を躍らせれば、大人は子供にいつだって戻れるのだ。
さあ今日も冒険に出かけよう。愚かしくも清々しくお宝探しを続けようじゃないか。
――オセロニア界の、トレジャーハンターの一人として、ね。