第8話 自作の小説を文学賞に応募したいと訪ねてきた男。断ると怒りだして強制レイプ

文字数 1,485文字

【夕方遅くに玄関のベルがなって出てみると、背広を着てネクタイを締めた男が立っている】


はじめまして、私は黒石徹郎と申します。はじめてお目に懸かります

【なんの用なのか分からないが、宗教の勧誘だと嫌だなと思って扉を閉めようとする柚希】


ここは七度先生のお宅ですよね、私先生の大ファンなんです
【どうやら小説の読者らしい。どこで住所を調べたんだろうかと一瞬不安がよぎる】
実は是非先生に読んでいただきたい小説があって、道端康男先生に紹介して頂いたんです

【そう言えばこの間、道端康男先生に誘われて食事をしたときに話があったような気がした】


これなんですが、先生に是非読んでいただきたいんです

【男が鞄から分厚い紙の束を出した。ワープロで打った原稿らしい】


【自分も小説を書き始めた時は誰かに読んでもらいたかったので邪険にするのもかわいそうな気がした】


とりあえず入っていただけますか
失礼して上がらせて頂きます

【男が自分の脱いだ靴を揃えないので嫌な予感がした】


こちらにどうぞ

【書斎に案内すると、男は興味ありげに部屋の中を見回している】


先生本当にここで小説を書いてらっしゃるんですか

【部屋に本棚が無いので不審に思ったらしいと柚希は気が付いた】


今は全部インターネットなので、本とかビデオとかは置いてないんですよ
置き場所を取るし、掃除とかめんどくさいでしょう

【男は納得しない目つきで柚希を見つめた】


さっそくですけど読んで下さい。先生もきっと参考になると思います。全部実話なんです
【実話と聞いて柚希は益々嫌な予感がした、柚希のデビュー作も一応は実話と言うことになってるが実際はかなりの部分が創作の作り話だ】

【男に渡された原稿を読み始めると、いきなり最初から調教の場面だ】


【ページをめくってみると、最初から最後までずっと調教のシーンしかない】


【これではとても小説にはならないが、うっかりしたことを言うと男を怒らせるかもしれない】


そうですね、文章はとってもお上手ですね
【とりあえず最初に褒めた方がいいとおもって、お世辞を言った】
文学賞はどこにだしたらいいでしょうか。選考委員の先生に紹介して頂きたいんですが
【文学賞と聞いて柚希は困ってしまった、いくらなんでもこんな小説を文学賞に応募できるはずがない。】
文学賞ですか
【どう返事をしようかと迷う柚希】
文学賞に応募なさるんでしたら、少し手を加えられた方がいいと思うんですが
【それとなく、文学賞は無理だと男に分からせようと言葉を選ぶ】
どこを直せばいいんですか、指摘していただければその通り直して、文学賞に応募させていただきたいと思います

【やっぱり文学賞に応募する気らしいと呆れる柚希】


出だしをもう少し工夫なさったほうがよろしいんじゃないでしょうか
先生に出だしを書いて頂けないでしょうか、そのほうが確実に文学賞を取れるはずですから
文学賞を取れたら、先生にもお礼を差し上げます

【やっかいなことになると思って、面倒くさくなった柚希。男を追い出そうとする】


私今日は忙しいので、そろそろ帰って頂けますか

【男は顔色を変えて立ち上がった】


やいてめて偉そうにしやがって、俺の言うことが聞けないのか。この雌豚
お前はたった今から俺の奴隷だ、俺の言うことは何でも聞きますと約束してもらうからな
【男は鞄から鞭と赤いロープを取り出した】
なんのつもりなんですか、帰って下さい

【男はすぐに柚希を縛り上げた】


お前は今日から俺の奴隷なんだ、俺の命令には何でも従ってもらうからな
お願い止めて、こんなのいや
つべこべ言うんじゃねえ、言うことが聞けないならお仕置きだ

【お仕置きと聞いて柚希は背筋が寒くなった】


ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

女流官能小説家七度柚希

小説家田村康二

文学春秋社社員

文学読物新人賞選考委員江村純

柚希の昔の交際相手

小説家江村淳の読者の女

露天風呂の変態男

新聞の拡張員

中学校の同級生

勝手にラブホテルの部屋に入ってきた男

受け付けの女

自作の小説を持って訪ねてきた男

マッサージ師

出会い系サイトの男

先輩の小説家の五島由利夫先生

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色