悲鳴と終わり
文字数 470文字
吹雪と霧
（ブロッケンの妖怪、か？）
（雪？）
【突然空が曇り、霧が出てきて、雪が降ってくる】
どうしてふぶいてくるのよ！
【子供の頃を思い出し】
お前ら、こっちにきて固まれ！
座るぞ！ 絶対に動くなよ！
いったい何が起こってるの！
『ホワイトアウト』だ！
えっ？
吹雪のときに、大気中の雪と雲の間で光の乱反射が起こり続け、影ができなくなる現象だ！ すべての視覚的感覚が失われるから、前後左右、上下ですら区別できなくなる！ 動いたら危ないぞ！
（――異常気象）
ねっ、ねえ！
どうした？
人の、悲鳴が聞こえない？
『ぎゃうっ！』
【吹雪で景色が見えず、何が悲鳴を上げているのかわからない】
やだぁっ！ なんですのっ！
『やめでぇぇぇっ！』
いやあああああああっ！
【異様な死体が目の前に投げ込まれる】
佐々木さんの奥さんだわ……
えっ？ なんだって？
野鳥の会の、会社役員の、佐々木さん……
（青古さんと、反対側に行ったはずなのに）
【巨大な雪崩がやってくる】
（雪崩……）【仲間の悲鳴とともに意識を失う】
――うふふ。
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