学生時代に打ち込んだものは? 〜打ち込んでたら聞かれなくても言ってるよ〜

文字数 1,243文字

寝ていた花尾。

刮目。

企業に期待した訳ではない。

運命(ロジカ)の片鱗が耳に注がれたからだ。
大学時代に打ち込んだものは何ですか?
大学には行っておりません。
なるほどぉ、失礼。
では、高校時代に打ち込んだものは何です?
高校にも行っておりません。
面接官。
感じるは違和感。

中卒を雇うような余裕はないはずだ……。
では、趣味は何です?
面接です。いいえ、あえて言いましょう。

面接(バトリング)です。
面接は戦闘であると同時に戦場でもある。

花尾、残忍無比なる禅問答的返事。
あっけなく発動されるは……。


『空気の暖簾に腕押し(オードリー・ローズ)』


搦め手にハマるは面接官。
怒りを通り越して、錯乱すら感じる……。


100の論理武装(アームド・ロジカ)の一つ。
全ての質問に真面目に答えない秘策中の秘策。

思考を巡らせるは面接官。

そう、面接はお互いがするものである。
(なるほど、筆記が満点だって奴がこいつか……
 多少は頭がキレるようだな…………)
一つ質問をよろしいでしょうか?
会話の途絶えた空間。

他の学生たちがひいている中。

敵に塩を送るような行動はできない。

それは面接官も容易に察知。
(な、何を企んでやがる)

まあ、面接に関係あることなら、言ってもいいよ。
私に言いたい事があるはずです。それは……。
沈黙からの発言。

0からいきなり100になるギャップを利用する。

たっぷりと時(タイミィティ)を溜めるは花尾。

面接官、言い出せない。

見透かされるであろう自分を認めたくない。
『今すぐ帰れ』
あなたの本音はコレ……。
鼻で笑う面接官。

しかし、刹那っ!
そんなあなたにこんな質問です。

私は今の所何点ですか?
……今すぐ、帰ってくれ。時間の無駄だっ!
私は何点?
こんな面接は俺はやらない。
言うから、お前は帰れよ。

マイナス100点だッ!
怒鳴る。

その声。

響く。

廊下の奥の奥まで。

面接官。

気がつく。

怒鳴らせるのが目的?



否。
私はマイナス100点でしょう。
それを踏まえて、面接を放棄したいあなたは何点でしょうか?
…………あ、あ……あ……
『愚者の相互確証破壊(フェイシング・イディオット)』

相手に否定させた項目(カテゴリング)こそ罠(ダーティ・ハリー)。
お互いに何にもメリットがないこの技(ビバルディ)は、
花尾だからこそできる。そう、仕事(タスキング)の無い彼だからこそ。


論理(ロジカ)は、花尾を裏切らない。

そう。

花尾(ロジカ)は論理(ロジカ)を愛し、
ロジカ(論理)は花尾(ロジカ)を愛した。
花尾(バトリスター)。

颯爽(エレガンシック)に。

席(フィールド・ルドヴィカ)を。

去る(ファイナル・リービング)。
任務完了(オーバー・ザ・ロジッキング)。
徐々に(ステッドリー・オブ・ザ・イヤー)。

自分でも(セルフ・コンシャス・アウト)。

意味が(トゥ・ザ・トルゥーファミリー)。

不明に(分からなく)

なる(なる)

花尾(武)だった。


                 第2章 エンド・ロジカ(第2章おわり)
                 第3章につづく・ロジカ(第3章につづく)
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登場人物紹介

花尾武(はなおたけし)  

中学中退。夢は最強の面接バトリスト。
合計1350社から不採用になっている。
現在32歳、独身、彼女いない歴は主観で40年以上(見込み)。

面接官より年上のこともしばしばある。
その人に敬語使うかどうかで微妙な空間ができあがる。

第一話 IT企業編に出てくるITベンダー『MPC』の人事部長。

初めて面接バトリストと遭遇して、困惑する。
面接時は怖いけど、家に帰ると二人の娘の良いお父さん。

趣味はネット大喜利(本編には関係ありません)。

第二話 事務編に出てくる『株式会社テイワ設計』の人事部社員。

爽やかな顔を見せるのは、社内の女性を意識するため。
そのハンサムフェイスは面接バトリストによって崩される?

好きな麻雀の役は大三元四暗刻(本編には関係ありません)。
積み込みも得意で燕返しができる(本編には関係ありません)。
週末は趣味の古そうな石を集めているか、雀荘にいる(本編には関係ありません)。

第3話 書店編に出てくる『大和田書店』のキレる系面接官。

面接(バトリング)で花尾を封殺する事が出来るのか?

お見合いサイト18サイトに登録しているその道のプロ(本編には関係ありません)。
特技は国旗を見て大体の国を言える事(本編には関係ありません)。
女子プロとJ2に詳しい(本編には関係ありません)。
ちょっと偏った思想の持ち主でもある(本編に関係あります)。

二宮桃子

第三話でちょっとだけ出るうら若き乙女。
臭味は読書と履歴書には書いてあるものの・・・。

ラインの既読無視には物理的に仕返しをするタイプ(本編には関係ありません)。
ポッケに必ずチョコが入っている(本編には関係ありません)。
「来週までには」が口癖(本編には関係ありません)。

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