空を飛ぶ蜘蛛
文字数 1,266文字
空から何かの群れが飛んで来る。
敵軍も最初は
虫か鳥の群れだと思っていたが
近づくに連れ、
それが見たこともない奇妙なものだと気づく。
胴体に足のようなものが四本、
その上では何かが終始回転して空を飛んでいる。
まるで空飛ぶ蜘蛛のようにも見える。
数は数百ぐらいはあろうか、
みな一様に何かをぶら下げている。
これを撃ち落そうと
弓矢を放ち、魔法を使うと
ぶら下がっている袋が破け、
中から液体が飛び散り
その液体が気体となって周囲に広がった。
するとその付近にいた者達がみな
何やら苦しみはじめる。
勇者は遠方から双眼鏡で
敵の様子を伺っている。
勇者の言葉に
テトをはじめとする少年少女達は、
またも目を見開いて驚いていた。
子供に化学兵器を扱わせるとは
まさに外道勇者。