5 社会課題と対策が分かる!

文字数 1,370文字




第五に、この図を使えば現代社会の課題と対策を、
政策の分類に応じて、体系的に示せます。

これにより、身近な地方自治体の政策から
国のDX(デジタル改革(トランスフォーメーション)
あるいはソサエティ5.0、
さらには国際的な、人間の安全保障(ヒューマン・セキュリティ)
SDGs(エスディージーズ)持続可能な開発目標(サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ))といった、
現代の内外政策も理解しやすくなります。

まず、技術の進歩と社会の変化に応じて、
重要な政策の種類も増えてきました。
できることが増えると社会の課題、
考えるべき政策課題も増えるのでしょう。
富の生産と配分に加えて、
人の向上と活用が重要になっています。

農業~工業時代は灌漑や軍事など、
富の生産・安全を高める技術的政策が、
国家の主要な政策でした。

工業~情報時代は産業立国や福祉国家のように
富の分配・投資を高める経済・社会政策が
重要な政策に加わりました。

情報~AI時代の今日では、
社会活動の拡大、省力化や複雑加速化によって、
国民の保健・教育や政策の世界化・分権化など、
人の向上・回復を助ける人的資源政策と
人の活用・参画を高める行政管理政策も、
重要になっていくと思います。

人類は今、地球の資源・環境の限界や、
経済・社会活動の複雑化(利害調整の困難)、
健康水準(肉体・精神・社会的含む)の低下、
政策の巨大化と分権化の要請に直面しています。

これらはまさに、新エネルギーなど技術的政策、
産業振興や社会保障など経済・社会政策、
保健・教育といった人的資源政策、
国際化や民主化を促す行政管理政策の
課題にそれぞれ対応しています。

次に、現在は文明段階の移行期なので、
新たな技術の研究・開発政策も注目されます。
考えるべき政策課題が増えたら、
それを解決できる新技術も欲しい。
ある技術水準で利害調整政策を極めたら、
次世代技術の導入政策が必須になります。

電算機(コンピュータ)は『こういう時はこうする』と、
指示された仕事しかできませんが、
膨大な情報から因果法則を発見・活用し、
『どうすべきか』も〝考え〟られるAIを使えば、
画期的新素材を開発し、小規模電力を広域安定集配し、
人間の仕事を代行し、投資と分配を両立させ、
生体分子や知的活動を解析して医療や教育に役立て、
行政の公正・効率や連携、参画、協働も高められます。

すなわち、AIを中心とする次世代技術は、
① 新素材・新エネルギーやIoT(インターネット・オブ・シングス)とビッグデータ処理、
知能ロボット、生物工学(バイオテクノロジー)生体工学(バイオニクス)、先進医療・教育など、
② 人工物・自然物間の障壁を除いて双方の持続可能性(サステナビリティー)を高める、
体内環境含む自然・社会環境に優しい技術であり、
③ 富の生産(安全)と分配(投資)に加えて、
人の向上(支援)と協力(参画)も増進することにより、
④ 環境、経済、社会(人間含む)、政策の全分野で、
文明の持続的発展を可能にしてくれる技術です。

それは、これまである意味で、様々な環境の
〝外〟にあった文明活動を、環境になじませる
〝環境親和技術〟あるいは、
人智を越えて複雑化する文明活動を、
自動最適化により支援し、発展させ続けられる
〝持続可能性技術〟と呼びうる技術であり、
現在の社会課題、政策課題を解決するうえで
不可欠の技術だと思われます。

政策の二大条件は必要性と可能性ですが、
変わる社会が対策の必要な社会課題を生み出し、
進む技術がその解決を可能にしつつあるので、
AIなど新技術の導入を含む、総合的な政策が、
解決に取り組みつつあるのだと思います。
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