モノローグ2

文字数 792文字

 もう唇が触れていない所はない体を、今夜も求めて連絡をした。ハチ公に来た君は露出の少ない服装で、唯一大胆に開いた首元にベルトのチョーカーをしていた。それを着けたまま身をよじる姿を想像しただけで下腹部が熱くなった。

 坂の途中にあるコンビニに寄って缶コーヒーを買うと、夕食が済んでいるはずの君が、今日もサンドイッチを買った。
 チェックインした部屋で、立ったまま重ねた唇を離すことなく互いの服を脱がしてゆく。ブラを下にズラし現れた膨らみにかぶりついた。控えめな胸の先端を舌の側面で刺激すると、舌先よりも反応が良くさらに転がした。
 スカートを落とすと、ショーツの縫い目に合わせるように

の縁を指先でなぞる。指は入れずに焦らすように攻め続けると、やがて君から腰を動かした。

 後ろから攻め続けながら君にはチョーカーという理性を残し、そのまま快楽に溺れてゆく様を見ていた。その姿にさらに奮い勃ったものを、粘りつく蜜の中へと挿しこんだ。君はそれを奥まで沈めるように腰を突き出した。
 君の呼吸が漏れ出る声に呼応して腹式呼吸になってゆく。ゆっくりと、じっくりと、互いの粘膜の質感や形を感じるほどに腰を強く抱き寄せ合った。

 君の背中の上で果てた。中は狭苦しくて嫌いだった。フィニッシュは欲望を外に思い切り放つのが清々しい。君の背中に放った愛欲の塵をティッシュで拭き取ると、仰向けに倒れ込んで思考を放棄した。
 胸の重さに気が付くと、君が頭を乗せていた。罪悪感を誤魔化すように、その顎を引いて唇を重ねた。

 シャワーを浴びた君は服を着ることもなくサンドイッチを食べはじめた。事後は毎回、こんな関係は終わりにしようと思えてしまう。だから煙草を吸って缶コーヒーを飲んでいる内に帰って欲しかった。君を置いて部屋を出る勇気もなかった。きっとまた求めてしまうから。本心を口にしてしまわぬように、君の背中を熱く見つめた。
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