第5話

文字数 231文字

 マンホールの蓋があいて、1メートル以上はありそうな目玉がぴょこんと現れたときには驚いた。
 雨が降りしきる7月。午後3時42分。港ちかくの倉庫街。得体のしれない地下格納庫にちかい位置だった。私は倉庫の軒下で取材メモをとっていたスマートフォンの指をとめて見入った。
 それは2メートルほど上昇すると、白く反射する雨の条と雨煙にかき消えていった。
 灰色の影のようにぼんやりと見えた、スーツを着た水墨画のような後姿。私はEyeballheadの始動を目撃したのだった……




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